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「黒崎友里です。一応よろしくお願いしますね」


「一応かよ」



ニッコリと営業スマイルを送ると顔を赤くする奴がいたが、特に気にならなかった。





「友里〜」



教室の後ろの方から明彦らしき声が聞こえても気にしないことにした。



「先生、俺の席はどこですか」


「窓側の後ろだ」


「ちょっ…無視しないでよ友里ー!!」



腕をブンブンと降ってきた明彦にクラスの連中が再び騒ぎ出した。



「明彦様」


「なんであんな平凡に…」


「あの明彦様が…?」




…様付け?

ぁあ…これが理事長の息子として見られている現状か。
バカな癖に顔も良いからな…



「うるさいですよ。また痛くされたいんですか明彦」


「「きゃーーー!!」」


「「いやああああ!!」」


「ちょっとー!?何言ってんの友里ー!?」



突然、教室中にクラス連中の悲鳴が響き渡った。



「なに黒崎、お前タチだったのかよ?てっきりネコかと思った…」


森沢が驚いた声を上げると他の連中も同じように驚いた様子を見せる。


…ネコ?

タチ?
イタチ?
好きな動物の話か?



「まぁ…イタチよりはネコの方が好きですね。鳴いているとこを見ると遊んであげたくなります」


「なんか素敵…」


「遊ばれたいかも…」



一部のクラス連中の空気がおかしくなり始めた時にふと気付いたが、あずきと夜誇もこのクラスにいた。

夜誇はポッケに手を突っ込み、窓側に寄り掛かって寝ている。

あずきは顔を赤くして心配そうにこちらを見ていた。



「もう席について良いですか」


「いいぞ。よーし、次はオレの授業だからそのままやんぞー」



窓側の一番後ろの特等席と言えるだろう席につけば、教室が一望できる。


これが、学校…



「………」









窓から見える景色は青と緑に分かれ、とても綺麗で…俺は遠くにいる唯一の義父を思い出しながらずっと外を眺めていた。















(……ちゃんと飯食ってるかな…)






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