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「この人が貴方の担任の…ってちょっと!起きなさいよ!」
「……コレが担任ですか…?」
上宮さんが案内してくれた所には、雪崩が起きそうなほどごちゃごちゃになった机に突っ伏して寝ている男がいた。
髪は明るい茶髪で、左耳にはピアスが見える。
(こいつが担任…担任って何だっけ?教師…だよな?)
「あー…頭いてぇー〜…おっ道則じゃねぇの…」
バキャッ!
「その名前で呼ぶんじゃねぇって何回言やぁ分かんだテメェは!!」
上宮さんが殴っ…?
頭をくしゃくしゃと掻きながら起き上がった担任が、上宮さんに向かって"道則"と呼んだ瞬間に担任が吹っ飛んだ。
恐らく道則とは上宮さんの下の名前だろう。
…だからあの時"ミッチー"か"みーちゃん"って呼んでくれと言っていたのか…
「おいおい落ち着けって!おまっ…顔はやめろー…」
「うるせぇよ下半身バカが!てめぇのせいで友里くんに本性バレたじゃねぇか!」
「友里くん?」
その時、初めて担任と目が合った。
とりあえず偏見なしでこいつは面倒くさい部類の人間だと感じた。
「おーお前か外部生ってのは」
「おい友里くんにあんま近寄るな。孕んだらどうすんだ」
「人を卑猥物扱いかよ…何?随分と構うじゃん」
ニヤニヤしながらホスト担任は俺に近寄ってきた。
よく見ればワイシャツのボタンが3つも開いている上にネックレスをしている。
タレ目が印象的だ。
「あの…」
「なんだ?オレに惚れたか?」
な訳ねぇだろうが。
「アンタ本当に担任なんですか?」
「ちょっ…何この子スルースキル高い上に見下してきたよ!すげえ冷めた目!」
「さすが友里くんね」
「早くクラスに案内して下さいよ。あとボタン閉めて下さい。それかチェンジで」
「会って数分でチェンジ!?」
コイツは芳晴や明彦と似たタイプだと思う。
「ははーん?そうか。オレの肉体美に照れてんのか」
「視界の暴力です。失明したらどうするんですか」
「しねぇよ!」
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