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Unbalance Love
03.はじめまして
寂しい。
二人とクラスが別れるのがこんなに、こんなに寂しいなんて思わなかった。
さっきまで廊下で話していた所をチャイムによって遮られ仕方なく教室に入った。

すると俺を見るなり騒がしかった教室内は一瞬シーンと静まり返りまたこそこそと陰口を言われた。

大方鏡も隆都もカッコイイから俺みたいな平凡が近くにいるのが気に入らないってところだろう。

新しい友達を作るチャンスなのに俺の周りには人っ子一人いない状態。悲しすぎる…

(実際には圭も綺麗系な子なので二人がいない今がチャンスと話し掛ける機会を伺いつつ互いに牽制しあっていただけだったりするが圭は自分は平凡だと思い込んでいるため全く気付かない。)



「はぁ」

早く休み時間になって欲しいな



「おいお前らとっくにチャイムなってるぞー席につけー」


チャイムが鳴ってから5分程してやっと先生が入ってきた。

「悪いな、転入生に校内の説明してたら遅れちまった。あ、おい転入生入ってこい」

先生の言葉に教室中はざわめき「カッコイイ人かな?」「可愛い子がいい」なんてBL小説男子校特有の言葉が飛び交う。

近くに女子校だってあるのになんで男に走るのかな?
向こうも向こうでレズばっかだけど……

一拍置いてから教室の扉を開けて茶髪の男が入ってきた。
顔はカッコイイ、しかも優しそう。あーこれは絶対人気出るな。

「大阪から越してきました澤口真人っていいます。まだこっちのことよう解っとらんから色々迷惑かけると思うけど仲ようしてや。あ、俺あんまおもろい事言われへんしネタとか無いからそこんとこよろしく!」

「んじゃお前の席そこな、教卓の上」

「はーい、て…ちょ、高い!しかも鞄かけるとこないがな!」

「突っ込むとこそこか!」

「やって先生無茶振りするんやもんー」

「お前の席空いてるとこだから」

「ちょ、無視?」

先生との下手くそなコントでバッチリつかみを得た澤口は教室中の奴らに気に入られ教室中皆が歓迎ムードを放っている。勿論俺も歓迎してる。

ところで空いてる席って俺の隣だよね?
新しい友達作れるチャンスだ!

そう考えてワクワクしてると澤口君は俺の隣の席に座って喋りかけてきてくれた。


「よろしくー俺澤口真人ーって知ってるやんなー、名前なんつーの?」

「あ、俺御崎圭、よろしく!」

「圭って呼んでもええ?俺も真人でええし」

「うん」

なんか仲良くなれそう
真人なら二人に紹介してもきっと仲良くなれるよね?

朝のHRが長引いたから休み時間なしで始業式の説明的な事を話された。更に続いて新しい学年になった、ということでが自己紹介が始まった。
……さよなら休み時間…




自己紹介も終わり始業式が始まるまで各自席についたままで自由にしてもいいということになったので俺は真人と話をすることにした。
すると真人は申し訳なさそうな顔で
「圭ーあとでまた校舎案内してほしいんやけど」
と言ってきた。


「あれ?先生に聞いたんじゃなかったっけ?」

「あの担任が遅刻してきた言い訳にされただけで案内なんか通り道の説明くらいしか聞いてへん」

……あぁ…あの先生また遅刻したのか

「うん、いいよ」

「ありがとうー」

お安い御用と案内を引き受けたら真人は俺の手を握ってぶんぶん振りながらお礼をいってきた
オーバーリアクションだなぁ

真人と仲良くしてる俺が気に入らない奴らがまたなにかさわいでる。手握られたからかな?
全くくだらない…

俺はこっちに向けられる無数の視線に小さくため息をついた。




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あきゅろす。
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