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詩/小説
小さな子供はぬいぐるみを離さない(他/スレサク+ヒナ)




「お前のような子供は生まれなければよかったんだっ!」

「何故お前のような落ちこぼれがここにいるのだ!」

冷たく放たれる言葉

拒絶を写した瞳

怖い、怖い
恐怖が襲ってくる

助けて、無意識にあの子の所へと走りだした


扉が大きな音を立てて開かれた

「サクラちゃんっ」

突然のことに驚き見ればそこには泣いているヒナタの姿

「どうしたのっ、またあいつら?」

急いで駆け寄った私にヒナタは酷く混乱した様子でしがみつくように抱きついてきた

私の胸で、私の名前を何度も呼んで

そんなヒナタを落ち着かせるようにとんとん、と背中を優しく叩いて大丈夫だと囁いた

「怖かったの、早くサクラちゃんに会いたくて‥」

「そっか、ヒナタが無事で良かったわ」

そんな調子でヒナタの背を撫でていても、内心穏やかではなくて
今にも殺気が漏れるかと思う程の怒りを精一杯押さえている状態だ
そうしているうちに小さな寝息が聞こえて

早く行かなければ、とその場を離れた


その夜は、風が強く吹いていた
風の音に掻き消され
男の呻き声に気付く者など居ない程に


「ねえ、痛い?」

手足をクナイで床に縫いとめられた二人の男
クナイはしっかりと手足を貫通させており、男達は余りの痛みに言葉を口にすることも出来ず涙を流し呻いていた

「そう、まだ大丈夫なのね」

返事を返せない男達にそう勝手に解釈した女
それに男達は目を見開いて急いで首を横に振ったが既に遅く、次のクナイが振り下ろされる

小さな格子から差し込む月明かりに、桜色の髪が照らされた


「サクラちゃん‥昨日、何処‥行ってたの?」

翌日の朝、ヒナタは私が居なくなったことに気付いていたようでそんなことを聞いてきた
勿論本当のことなど言うつもりはない、それをすればこの子は殺されたのがどんな相手だろうと悲しむだろうから

「あー、ちょっと買い物にね」

私はそう言うとはい、と小さな箱をヒナタの前に差し出した

「プレゼント」

「‥なんで?」

「ヒナタに似合うと思ったからよ」

頭の上に疑問符をつけるヒナタに私は笑って箱を手渡した

「‥あり、がとう」

ヒナタはそんな私に控えめな笑顔を返し、喜びからか頬を赤くしていた

言い訳のために買ってきたものだったけれど、こんな笑顔を向けてくれるのならこれからは任務の度お土産でも買って帰ろうか
そんなことを本気で考える

日向などに帰してやるものか、同時にそれも心に誓いながら




*end
ヒナタを溺愛してるサクラを書きたかった。
撃沈。

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