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詩/小説
いつもと同じ、異なる印象(最/サク+サス)




――最終処理班

それは、木ノ葉の全ての部署でこなしきれなくなった任務や書類、それら全てを請け負いこなす天才集団である


「お早う」

重い岩の扉をチャクラを流し込み開ける
チャクラ認識扉なんて以外とハイテクだ

いつものように騒がしい中に入ると怒鳴り声が飛んでくる


「何がお早うだ!!遅ぇよウスラトンカチ!」

キッとこちらを睨む彼は怒涛の勢いで手元の書類を片付けている

「別に遅れてないわよ。私が忙しいの知ってるでしょ?」

「俺だって忙しいんだよ!おら、これお前の分だ」

手渡されたのは五十冊は有ろうかという本とそれと同じくらいの厚さはある紙束
「…これ、解部から?」

「ああ、この前お前等が取ってきた岩、雲、霧、雨、草、滝の忍の全データを整理して重要視すべき奴はリストアップして別にまとめろ」

「…了解」

(シカマルってばこんなもん回してくれちゃって‥)
心の中で文句を言いながら早速取り掛かった

周りはドタバタと書類や任務書を運んでくる

「麗遠〜!また任務来た〜!!」

彩羅、此処の主に会計などの事務担当だ

「お前が行け!!阿呆!」

例外もよくあるが

彩羅のえぇ〜っ!という声が響く
サスケはそんな事は気にせずに仕事を進める

本当に口が悪いがそれは当たり前の事で無口な彼なんて此処には居ない

「栖鑼と莱騎は?」

手を動かしながら話かければ目は書類に向けたまま返してくれる

「あいつらも任務だ。栖鑼は火影からの依頼で、莱騎は産休取った上忍の代わりに岩まで遠征」

「あらそれは大変ね」

「莱騎なんてあんな岩の雨しか降らない所じゃ虫達が嫌がるとか言って行くのぐずってたからな」

サスケはその時を思い出しているようで、くつくつと笑った

書類の量はもう終わりそうになっていた

「麗遠、これ手伝って」

自分の仕事を指差して言う
「何言ってんだ。もうすぐ終わるだろ」

「麗遠のだってもう終わりじゃない」

「自分のものは自分でやって下さい。隊長」

隊長の部分だけ少し強く言われた

「私は名前だけで本当の隊長は麗遠でしょ?」

「隊長じゃなくても副隊長の位置には居るだろうが。馬鹿かお前は」

「馬鹿はどっちよ。‥‥書類、終わっちゃったじゃない」

疲れた、と言わんばかりの顔で言う

「よかったじゃねぇか、俺も終わった所だ」

俺が手伝うと思うか?と笑う彼は憎たらしい程いい男だなと思う

「‥‥麗遠、任務は?」

「‥3時からだ」


私の問いに面倒なことを思い出してしまったと眉をひそめ答える

「偶然ね、私も3時からよ」

サスケはまさか‥、と顔を引きつらせた

「任務、一緒みたいよ?」
「マジかよ‥」

頭を抱える彼にもう一言

「ついでに暗部にもくる?」

「行くかっ!シカマルじゃねぇが面倒くせぇよ!!おめぇ等みてぇに任務増やしてたまるか!」

俺は疲労で死ぬなんで御免だと全力で拒否されてしまった

「私達が大丈夫なんだから大丈夫よ」

「ふざけんなバカ。俺はお前等よりずっと繊細なんだよ」

そう言いながら立ち上がり私の額を小突いたサスケはそのまま机から任務書を二本手に取り一本をこちらへ投げてきた

「何よ、これ」

「任務に決まってんだろ。今から3時までに終わらせるぞ」

因みに現在の時刻は午後1時55分
3時までは約一時間である
サスケは時間など気にせずに出ていこうとする

「‥一時間に二本って疲れるんだけど」

ゆっくりと腰をあげ、ドアノブへ手を掛けようとするサスケに少し文句を言ってみた

「ウスラトンカチ、暗部総隊長が何言ってやがる」

振り返った彼から返ってくるのは、やっぱりそんな言葉だけで

「はいはい、分かりました。隊長」

「バカ言うな」

でも、それを聞いて零れるのは、嬉しさと笑みだけだった




*end

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