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短編

※弟とのカップリングではありません。


俺、水橋 廉。
只今ピンチです。

「ちょっとあんた。よくも私の彼氏を取ってくれたね。」
取ってない取ってない。

「そうよ、私の彼氏はあんたと違ってホモじゃないのよ。」
いや、俺もホモじゃねぇーよッ!

「男同士とかまじ信じらんないんだけど。」
うん。信じられないなー。

「ちょっと聞いてんの?!」
まぁ、心の中で返事を返すくらいには?

「あんたが」
「あんたがたぶらかしさえしなきゃ、」
「私たちはフラれることなく幸せでいられたのにッ!」

………

「は?フラれたのは俺のせいなんかじゃなくて、ただ単にあんたたちの魅力が無かっただけでしょ?人のせいにしてんじゃねぇよ。つか誰もたぶらかしてねぇし。」

「「「っな、調子こくなよッ!この平凡がッ!」」」

パシンッ!バシンッ!ドンッ!

ドサッ

もー行こッ!
行こ行こッ!
他に男なんていっぱいいるしねッ!

「………いってぇ」

キャッキャと騒いで帰っていく3人を見ながら地面についた手を上げる。

「あ、血ぃでてる…」

あーもー。俺の弟は……
今回は三股かよ。

「今月、これで何回目だよ。」

ハァーとため息を着いて立ち上がろうとすると

スッ

「?」

「手、血が出てる。」

「あ、ありが…と」

制服を着た身長の高い男がハンカチを差し出していた。

それを受け取り立ち上がる。

「どうしたの?」

「あー、ちょっと、な。」

「そっか。」

「あぁ。」

「そういえばさ、」

「?」

「あんた何て言うの?」

「お前こそ。」

「俺は……俺は葉山陵。」

「はやまりょう……」

「お前は?」

「俺は水橋廉。」

「廉な。よろしく。」

そうして葉山陵は優しく微笑んだ。

「ああ。よろしく。」





これが俺たち二人の出会いだった。




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あきゅろす。
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