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短編倉庫
狂愛 (暴力表現注意



何でこんなことになっているのか。


文次郎は息苦しいこの現状に頭痛を覚えた。

「…に、しやがる」

「ーーーーーーわかんねぇ」

自分の体に跨がり首を絞めてくる食満自身も信じられない、というような表情で文次郎を見下ろしている。

「手、はなせ」

「…むりだ」

掠れる声で言うと食満が首を横に振り、目に溜まっていたものが文次郎の頬に落ちた。

「こわいんだ」

「…何が」

尋ねればわからないとまた首を横に振る。でもこわくて仕方がないのだと、言う。


狂っている。


こいつは何かが狂ってしまっている。
首を締め付ける手が、皮膚に食い込む指が、何故か己にすがっているように思えて、文次郎は酸素不足で霞む視界をそっと閉じた。


狂っている。



こんな奴を愛している、俺も。







最初はただ、不安だった。こわくて寂しくて、早く埋めて欲しくて、彼の部屋を訪れた。

最初は顔を見るだけのつもりだった。
顔を見ると不安が増幅した。
触れると寂しさが募った。
そして首を絞めている今はどうしようもなく、こわい。

静かになった恋人を見下ろし、愛しい顔にそっと口づける。

「…なぁ、もんじ」

お前を殺したら、埋まるのかな。

「こわいのも、寂しいのも、不安なのも、全部…お前に埋めて欲しいよ」

片手で首を押さえつけ、空いた手でそっと衣服をはだけていく。すると細い息で冷や汗をかきながらも恋人は俺を誘うように口角を上げた。
首を絞められてなおギラギラと光る目に、酸素と血液が廻っていない青白い顔と赤みを失った唇に惹き付けられ、貪るようにその冷たい唇を塞いだ。


嗚呼、狂っている。俺も、こいつも。









ついったーで仲良くさせていただいているminchiさんにあげました。捧げ…?かはちょっとよくわからないのでひとまずここに。




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あきゅろす。
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