僕だけの。
昔に戻りたいよ…
今は午後13時30分頃。昼休み終わってから晃が僕を離さなかった。
「幸行かないでぇ!!傍にいて…グスッ」
どんなに説得しても一度わがままを言うと晃は言うことを聞かない。更に泣き出す。
「いるから!だから泣くなよ…」
さすがに焦る。晃の泣き声はこの世の終わりじゃないかってぐらい大きな声で泣く
「離さないでね…傍にいてよ」
そう言って晃は僕の膝を枕にして寝始めた。
何だか幸せなそうに寝ていて先ほどの泣き声がなかったかのようだ。
「…変わったね、晃」
俺は小さい頃をふと、思い出した。
―――
――
―
【小学生の頃】
「じゃあな晃!また学校で」
その日は金曜日だった。僕は金曜日の夕方が嫌いだった。
「…幸、嫌だぁ…」
(まただ…)
必ず晃は金曜日になると俺を帰さない。
「晃、早く帰らないとお母さん心配するでしょ?」
「嫌だ嫌だ…幸とバイバイしたくない…」
晃が一生懸命、僕の腕を引っ張る。
(…困った)
「ねぇ晃?さすがに毎週金曜日泊まると晃の家にも迷惑だよ…」
「だいじょーぶだよ!あの人も許してくれたもん!!いつでもいーよって!」
だからいーでしょって笑顔で言う晃にさすがに「…ハァ、分かったよ」
結局、負ける。
「やったあ!一緒のベッドで寝てね!おふろも一緒だよ!」
「…うん」
晃の笑顔に今さら断れなかった。
―
――
―――
小さい頃を何故突然思い出したのか自分でも分からなかった。ただその頃から僕は晃の存在が怖かった。
そして晃は小学生の頃と比べて何もかも変わった。
身長と可愛い顔からカッコいい顔になったこと、…そして僕に対する執着も。
執着は昔よりも多くなった。
本当にもう逃げれない。またあの泣き声を聞きたくない。
‐‐‐‐‐
出会わなきゃよかったね
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