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僕だけの。
こんなに違うのに

「うわ、また増えてる…」

僕はショックを隠せなかった。
お風呂あがりに久しぶりに体重計に乗った。
そしたら見事に3キロ太っていた。

僕は晃と違い体型がコンプレックスだ。

「やっぱ晃のごちそうのせいだよね…」

晃は僕に色々なお菓子をプレゼントする。
甘いものが大好きな僕はそれはそれは幸せなこと。

「晃にお菓子もらうのやめよう!」

―――

「ほら…幸!幸のだーいすきなケーキだよ」

僕の目の前には幸と、とても甘そうな真っ白なショートケーキ。
思わずいつも通り『ありがとう、晃』って言いそうになるが我慢。

「…いらない」
「なんで?幸のだいすきなショートケーキだよ?」

ほらほらっと晃は僕の目の前に出したショートケーキを近づけ、急かす。…よだれ出そう。

「とにかくっいらないの!!」

僕が珍しく大声を出したのにビックリしたのか晃は目を見開いていた。

「ごめっ…僕……」

思わず泣いてしまった。

「ううんだいじょーぶだよ?ちょっとビックリしただけ」

晃が笑っていたがそれでも僕は罪悪感でいっぱいだった。

「僕ね3キロ太ったの…晃からのお菓子嬉しいけど…痩せたい」
正直に話したら晃は黙っていた。

「…わ…い」

ボソボソと小さな声で晃は何かを話していた。

「ん?聞こえないよ…晃」

「かわいいって言ってるんだよ…もう何で幸はそんなにかわいいの?ふふっ」

晃は僕の目尻を舐める。

「ねぇ?幸?どんなに太っても幸のこと好きだから…この真ん丸のお腹も僕のもの…真ん丸のお腹まで愛してるのも僕だけ。幸は僕だけに愛されてるんだからね」


‐‐‐‐‐

君には勝てない

‐‐‐‐‐



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あきゅろす。
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