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ふたつで ひとつ




「あのさ、顔が好きなんじゃなくて、兄貴だから好きなんだよ」


「“お兄ちゃん”ってことか」


「バカッ、家族的ポジションの、お兄ちゃん、とかじゃない」



「はぁ」


「いやいや、こっちが溜め息つきたいからっ」

「わかるように言え」



「えぇぇっ、わかるようにって言われても…」

「ほら」


「う、うん。か、簡単に言えば、キ、キスとか、したい」



「すれば」


「…あの、もっかい言って下さいませんか」



「すればいーじゃん、キス。したいんだろ」



「頭大丈夫ですか」

「お前が言ったんだろが」


「いや、でもさ」


「ちっちゃい頃なんか、毎日のようにしてたし」

「うっ」


「いまさらだろ」






「なんか、泣きたくなってきた」


「おぅ、ティッシュそこにあるぞ」




「兄貴の、バカぁ」

「なんだよ、人の親切を」

「好きだって言ってんじゃん」


「はいはい」



「なんでちゃんと聞いてくんないんだよ」


「聞いてるよ、十分」


「真面目にさぁ」



「真面目だよ、俺は。ずっと」





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あきゅろす。
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