ふたつで ひとつ
2
「いや、別に」
「あのさ、別にって顔してないけど」
「うるさい」
「なんだよ、何?」
「知らない」
「なんだそれ」
「あー、もぉっ」
「…」
「兄貴が好きなんだよ」
「ありがとう」
「は?」
「だから、ありがとう」
「俺、真面目に言ってるんだけど」
「家族だからだろ」
「違うってば、そういうんじゃなくて」
「や、意味わかんないから」
「わかれよ」
「なんだよ生意気なっ」
「うるせぇ、数分しか違わねーくせに」
「はっ、後に産まれた方が悪い」
「〜っ、この眼鏡野郎」
「見分けつくようにの伊達だゴラァ」
「なんだよ、いいじゃんかかけなくても」
「やだね、バカな方だと思われたくないからな」
「ひでぇぇ」
「…ってかさ、同じ顔なのにさ」
「あぁ」
「好きとか、どんだけナルシストなんだよ」
「だからちっげぇよっ」
「何がだよ」
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