ふたつで ひとつ
ある日のある兄弟
「兄貴ー」
「んあー？」
「暇ー」
「じゃぁ、出かけたら」
「遊ぼうよ」
「めんどい」
「なんだよ、構ってくれたっていいじゃんかっ」
「はいはい、どうすりゃいいの」
「しゃべろうぜ」
「何を」
「何をって言われても…」
「はいっ終わり」
「えっ、じゃ、じゃぁ好きな奴とか、いる？」
「いきなりでそれかよ」
「いいだろ。で、いんの？」
「いるよ」
「えぇ嘘っ、マジでかっ」
「なんで」
「いや、いないと思ってたし」
「お前は」
「俺？俺は、…いない」
「ふぅん」
「好きな奴って、どんな」
「可愛い、かな」
「へ、へぇ」
「素直だし」
「そう」
「仲、良い方だな」
「……」
「どうした」
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