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ふたつで ひとつ
ある兄のある記憶


「かなーかなー」

「なんだよ、ぼくは、おにぃちゃんだぞ」



「えー。でも、お誕生日も、背も、おんなじじゃんかー」


「でも、おかぁさんが、かなの方がおにぃちゃんなんだよって、言ってたもん」


「でもでも、かなは、かなだもん」

「ちがうよぉっ、おにぃちゃんって、呼べよっ」



「やぁだぁ、なんでかなだけおにぃちゃんなのぉー」


「わがままゆぅなっ」


「ひなだって、ひなだっておにぃちゃんがいいっ」



「しょうがないだろっ、かながおにぃちゃんなんだから」

「やぁだぁー」

「泣いたってひなは、おとうとだもん」



「ぅー。かなのばかぁ」


「ひなの方がばかだもん」

「うぇっうっ」



「っひなが、おにぃちゃんって呼ばないなら、もぅひなと遊ばないからね」

「ぃやあだぁ」



「ひなの事も、きらぃになるよ」


「やだやだっ」



「ひなバイバイ」

「…っん」


「もぅ行っちゃうからね」


「う〜…、うぇっ。ぉにぃちゃぁん」


「…もっかい」


「おにぃちゃんっ。おにぃちゃんって呼ぶから、ひなのこときらぃにならないでぇ」



「しょうがないからいいよ。遊んでもあげる」


「ぅん…」



「つぎに、かなって言ったらぜっこぉするからなっ」

「ひ、ひな、言わないっ、言わないからっ」



「じゃぁ、ゆびきりな」

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