日がな一日
ごあいさつ
──…えー、それでは、簡単なプロフィールからお願いします。
「瀬田柊二(しゅうじ)、四月九日生まれの17歳。四季山(しきざん)高校の2年生です」
──瀬田さんの最近あった一番ショックだったことを教えてください。
「ショックなこと…ありすぎて一番と言われると困ります。ああ、でも一学期は成績ががた落ちで、それはかなりショックでした。ギリギリ赤点は回避できたんですが…」
──それは大変でしたね。勉強が手につかなくなる理由が何かあったのでしょうか?
「いや、元々成績は悪かったんです。でも2年になってから誰とも話してないのが精神的にキツくて、色々とまいってしまって」
──誰とも話してない? それはまたなぜ?
「誰ともは言いすぎかなぁ。先生とか、業務連絡程度は生徒とも話してましたよ。ああそれと人懐っこい後輩がたまにすれ違うと挨拶してくれます。あんまり知らない相手ですが、それはすごい嬉しいですね」
──瀬田さん、クラスメートとは話さないんですか?
「いや、俺は友達いなくて…。最近なんか鏡とか無機物に向かって話してるときあるし、自分でもヤバいってわかってるんですけど…」
──友達ができない原因は? 何か思い当たりますか?
「原因は……俺が悪いのでいいんです。どうしようもないことなので」
──瀬田さんにとって一番ショックなことは、やっぱり友達ができないことですか。
「…そうですね。寮なので余計に孤独感があります。帰省できた夏休みは天国でした。だからこそ2学期のことを考えると気が重くて」
──大丈夫、きっと時間が解決してくれます。
「そうでしょうか…。ほとんど絶望的な気がします。それに俺は…」
──瀬田さん? どうしました?
「俺にとって一番ショックだったことは友達ができないことじゃなくて、やっぱり1年の時……あの人に……」
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