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Faker

電車に揺られること一時間半

車窓から見える景色はさっきよりも緑が多く田舎っぽさがましていた



「ところでさぁ、零桜高校って何処にあるか知ってる?」



爺ちゃんの話だと結構な山奥にあるとか、かなり遠いとこみたい



「知らない訳ないだろ? …まさか、お前」



………あはは、そのまさか なんだけど、
知らなかったなんて言えないよね…



慧は呆れた表情をしながら私を眺めていた


「仕方ないじゃん、髪切られて上の空だったんだもん!」


「はいはい。 零桜ってのは次の駅で降りて、専用バスに乗ってから数十分のとこにあるんだよ」




慧は嫌々ながらも説明してくれた

でもあと三十分くらいしかないけど大丈夫かな?
そんなことを思っていると、間も無く到着します、というアナウンスが聞こえた

これならなんとか間に合うね






「うわぁー!」



駅を出るとそこは田んぼばかりの土地だった
それに人っ子一人いない……
普通なら生徒の一人や二人いたっておかしくないのに




「なんで誰もいないんだ?」


と 慧が聞いてくるけど、私に分かる訳がない


零桜のバスらしき影も見えないし、バスの時間もまだ少しだけど余裕があった



「まだ来てないのかな?」



「駅員に聞いてみるか、小春はそこで待ってろよ」



慧はそう言うと荷物を置いて駅へと戻って行った






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