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Faker 〃 暫く引っ張られて行くこと一時間 慧は黙々と山道を歩き続ける バスはどうなったの？ まさかもう出発してたとか？ 正直疲れたよ、荷物も重いし (って言っても、重い方の荷物運んでるのは慧なんだけどさ) 「ねぇ、慧？ どうしたの？」 「……………」 相変わらずのシカト でもめげない！！ 「けーい？」 「…………」 「慧ってばぁー！」 「あぁ、もうっ五月蠅い！ 考え事してんだよ！」 「考え事？」 「さっきの奴！ あれ絶対 『ブラック』の総長だろっ？」 ブラックってのは結構強いチームの名前で、半年前に私と慧が喧嘩した相手だ 「総長って、リュウのこと？ でもアイツは黒髪だったよね？」 確かに何処かで見たような気がしてたけど、さっき見た美形さんは見事な金髪だったし 「小春、お前…バレてないよな？」 「えー、分かんないよ」 一応いつもは髪縛ってフード被って……、今思えばあれって男装だったのかな？ 「そう言う慧は、バレてないの？」 「俺はいつも女装してただろ？ バレるわけないね」 確かに……… ………？ 私あの時と同じ髪型だし、……さっき「お前」って言われたし……… 「あの〜、慧？ 私…バレたかもしれない」 「…………マジかよ」 そう言うと慧は私をゴツンと殴り、また歩きだした ［*前へ］［次へ#］ [戻る]  |