Faker
〃
「な、何言ってんの? 爺ちゃん頭おかしくなった?」
あっ、そうか。
もう随分な歳だからボケが始まったんだ…可哀相に
「健さんも何か言ってよ!」
「小春ちゃん! 男になるんだ!」
くそー、叔父さんもグルだったか…
「……うっ! 慧も黙ってないでよ!」
「いいじゃん。 男になれば? 俺だけなんてずるいし?」
慧に助けを求めると、ニヤリと意地の悪い笑みを浮かべ、あっさりと裏切られた
さっきの仕返しのつもりっ!?
「なっ、裏切り者〜!!」
私には味方がいなかった……
「ってことで、小春ちゃん?」
固まっている私に叔父さんはニコリと笑ってハサミを持ち出した
「まさか……」
「勿論、そんな長い髪じゃ男には見えんからな!」
爺ちゃんが話終わると、ヤクザの皆さんが数人 入ってきて私を押さえつけた
「お嬢っ、申し訳ねぇ」
「これも旦那のためなんだ」
と ヤクザの皆さん
謝るくらいなら手を離せ〜っ!!
三人くらいならまだしも、こんな大人数相手じゃ身動きすらとれない
「離せ〜〜っ!!」
「小春ちゃ〜ん? 観念しないと坊主にするぞ?」
坊主……つるっぱげ?
「いっ、いやぁーーーーーっ!!!」
その時の慧は私を助けるでもなく、楽しそうに眺めていたのだった
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