[携帯モード] [URL送信]

不思議の国のアリス

「何考えてるの?」



ぼーっと突っ立ったままの私を見て怪訝そうに尋ねる白兎は、この前のことは忘れてるみたいだった

私もめんどくさいので掘り返したりはしない


「んー、別に…ぼーっとしてただけよ」


「ふーん。 ねぇ、アリスは今からお茶会に行くんだよね?」



そういえばこの間もこんな感じの話してたような……
無言で頷くと白兎は私の手を握りしめ、スタスタと歩き出した



「…?」


白兎は私の顔を見ずに言う


「この前は一緒に行けなかったから…」



………やっぱ覚えてたか
この様子だと間違いなく薔薇園の方へ向かっているんだろう



「忘れてたとでも思った?」



さっきまで純粋な笑顔などあっという間に消えて、今度は黒い笑みで問い掛けてくる白兎



「まぁ、いいや。 早く行こう。」


でもこの間のことなど どうでもいいのか、白兎はそんなに気にしていなかった

その代わり歩く速さが半端なく速い
背丈もそれほど変わらない筈のに、これは足の長さの問題なのかな?
少なからずショック



「早くしないと馬鹿猫が追いかけてくるよ」


「だからって、そんな急がなくても…(私はチェシャ猫がいたって別にいいし)」


皮肉の意を込めて言うと、急に白兎が立ち止まったので、私は勢い余り白兎の背中にぶつかった



「…ゴフッ!?(鼻血でたかも…)」


「僕はアリスと二人っきりがいいんだよ」



[*前へ][次へ#]

2/12ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!