じんせいのしゅうえん
人によって様々だと思う人生の終焉。
私はそれが何度もあった。
人によっては子供が自分の家庭を作ったらそれ――
私にとっては作品が世に出たらそれ
人によっては子供が死んだらそれ――
私にとっては作品が終わったらそれ
私は何度も何度も作品を世に出し、終わらせてきた。
先に書いたもの以外にもそれこそ数えきれないほど私は死んできた。
もう、死にたくない。
10代の頃からクリエイターだった私はアニメ、歌、ドラマ、踊り、同人、お笑い、落語、ゲームなんでもかんでも作ってきた。
そして30歳になるまでに大抵の人間が一生のうちに出来る仕事量をこなしてしまうであろうことが分かっていた。
「30歳からは老後」
その思いをずっと抱いていた。
もう、リタイアしていいでしょ?
もう、死にたくない。
その思いは30歳を過ぎて年々増えていき減ることはない。
途中だった仕事にも手がつかなくなった。
若い頃は出来て当たり前のことが出来なくなった。
「30歳なんてまだ若いでしょ」という周りの声と視線。
屍骸に鞭を打つようなそんな言葉
もう、私の人生は何度も終わっているのに、
それなのに、更に
終われと催促される
あんなに楽しかった創作、クリエイトな仕事が苦痛でしかなくなった。
誰にも分かってもらえないのも解っていた。
ずっと老害(年をとったことにより起こる障害)と戦い、苦痛でしかない創作をそれでもなんとかやろうと気持ちを振るい起こして作品を発表した。
若くないのです。
30歳で老後をしては何故ダメなんだ?
どうして認めてもらえない!?
もう、100人の人間の一生分働いたよ…なのに…。
辛い、辛い、辛い、辛い
まだ生きなければいけない、辛い
誰にも理解されないのが、辛い
邪魔をする人間ばかり、辛い
辛いことを強要される、辛い
辛い事含め人生を自らの手で捨てられない事も
神がどうしてもくれない事も辛い
人生の冬の時
春の時をずっと待ってる――
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