トラベルマン 7 …どういうことっつったって……。 「……」 わたしは洸を見た。 頭のてっぺんから足のつま先まで、どこからどう見ても人間だ。 とか言って、わたしたちも人間じゃないけど人間の格好してるけどね…。 「…僕は人間だよ」 洸が静かに言った。 「…!」 「それはお前が判断することじゃねぇ。俺たちが判断することだ」 良貴が鋭い目を洸に向ける。そこでわたしが横から口を出した。 「…ちょっと待ってよ。仮に、もしもよ?洸が人間じゃなかったとしたら、一体この子は何なのよ」 「俺が知るわけねぇだろ?」 吐き捨てるようにいう良貴。 「とりあえず、怪物が見える人間がいることは予想外だった。というか、怪物が出たことが予想外だったな。 つーわけで、荘田洸が人間じゃなかったとして、俺たちはこいつを長んとこに連れて行かなくちゃいけなくなる」 「は…!?」 わたしと龍はあっけにとられて良貴を見た。 「ちょちょちょっとちょっと、無理でしょそんなの。この子人間よ!?」 「だからー、人間かどうか分かんねぇから連れて行こうっていってんだろ? ていうか、どうせこいつ俺ら仕事人のこと知ってるんだからいいだろ」 「な…何でそんなこと」 「どうせお前がしゃべったんだろうがよ」 …図星…。 「……確かに、そうすべきなのかもな……」 龍が言った。 ちょっと龍!君までなにを言ってるんだ! 「でも、そしたら洸はホントにわたしたちに干渉するってことになるのよ!?」 「しょうがねぇだろそれは」 おい。 開き直るか?そこ。 「……あの」 そのとき、洸が言いにくそうに口をもごもごさせた。 「?何?洸」 「何か大事な話し合い中悪いんですけど……」 そう言って、洸は公園の隅にあるベンチを指差した。 青いベンチには、気を失っている真樹が横たわっている。 「…真樹先輩をどうにかしてあげませんか…?」 「―――……」 「……そうだな」 「…うん」 忘れてたとか言わないよ。 ....もちろん。 [*前へ][次へ#] [戻る] |