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トラベルマン
2



わたしたちはそういうものだ。


というかむしろ、そういう仕事をしているということを他のやつに知られてはいけない。

知られたらこの仕事を辞職しなければいけないというのが決まりだ。

厳しいよなぁ…。








「…………」

というわけで、私は唖然としたままそこにつっ立っていた。


1回ここに仕事としてループしてきてしまったんだから、もう戻るわけにはいかない。


いや、戻れない。


私たちは仕事に必要不可欠であるこの装置「トラベル機」でありとあらゆる世界へと飛ぶ。

仕事がある世界は必ず戦争やら争議やらごたごたがある。

それが大きく発展する前にどうにかして解決しなければいけない。

一つの世界でそういうごたごたが発展してしまうと、他の世界にも影響が出るかもしれないのだ。

そういう事態を避けるため、わたしたちは極秘で任務をやっている。



しかし、今わたしがいるここ“人間界”は私たちの組織の中でも「行きたくない世界bP0」に入るほどの猛者なのだ。


とにかく行ったら面倒くさい。

仕事がやりにくい。

ごちゃごちゃしている。

と、人間界へ仕事に行った仲間たちは口を揃えて言っていた。




「…嫌なんですけど…」



わたしはぼそっと呟く。

普通いやじゃない?

何で押し間違えたんだ、わたし。

あぁ…帰りたい。





とにかく、そこでぼーっとしていても仕方がなかった。

―――そういや1週間経ったらとりあえず長に連絡とって…帰ろう…

それまでここで生きなければならない。


ちなみに長(おさ)というのは名前からもわかると思うがわたしたちのリーダーである。

少々軽いが、まぁ頼れないわけでもない人だ。



仕事中のわたしたちと連絡を取ったりなんだりできる唯一の人が長。

トラベル機でどんどん世界をまわっていくのはトラベル機にとってもエネルギーがいるので

バンバン飛ぶことができない。

そんなことをしていたら電池が切れてもとの世界に戻れなくなる。



...しょうがない。



1週間もすれば帰らない仕事人たちに長から連絡してくれる。

こうなれば事情を説明して誰かに来てもらうとか、手段をとることができるのだ。

それまで待つしかないのか…。





...憂鬱だ!!

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あきゅろす。
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