幻想詩編
カタリナの無限
それは小さな箱舟
命を運ぶ子守唄
鏡写しの連鎖の記憶
想いの海に泡沫の夢
ゆりかごの中で熱く燃える
想いを綴る血潮
甘い薔薇から摘まれ
いばらの雨は続く
蜥蜴は暁を目指す
赤い空が落ちるまで
ガラスの声が舞い
美しい死が牙を剥く
宵闇の灯火
光のかけらの声
囁きの導き手
血の道標は蘇る
光る闇に大地は濁る
灯火の声は枯れ
赤い空は再び昇る
増え滅び、減り栄え
標を失い記憶は踊る
始まりはなく終わりに花を
涙の夜に賢者の杖
灯火は散り集う
小さな箱舟は歌う
「おかえりなさい」
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