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幻想詩編
嘯く烏
木々は寝入りね

交叉、宵に閏う


天草、風薫る月老いる夜は

光り崩れる、大地

極彩の瞳、映る物語

夜に反す子の様に

結末を待つ


火蜥蜴が蔓を焼く

風雅に響いて

幽雅に舞って

火に焼かれているのに気付かない

愚か者には祝福を


草花 首を下げて

足元には骸

毒が拡がる

逃げられない

根から腐ってゆく


空が黒く

小さなものたち

穢れに酔って

大地を喰らう

汚物にまみれよ


終末の大戦

我々が選定する

罪深き者たち

瑠璃色の空には

白濁する天使


人々に寄せられた手は

赤く 熱く 燃えている

不浄を抱いて救う

不滅を抱いて救う

不満を抱いて救う

呪われた大地を祝福せよ

我々が


非を求めよ

輪廻の鎖に縛られ

地に沈まぬ者

七つの頭は鋭く

鈍色の冠を頂く

事も無く 朽ちる


日々が罪であり

日々が罰であり

我らは牢獄の死者である

牢からは逃れられず

鞭からは逃れられず

日々を苦悩に皺寄せる


己が非を求めよ

罰を求めよ

いずれは 救われるだろう、と

我らは約束しよう


そう笑うのは

赤い目をした

汚い鴉


嘴を大きく裂いて

世の帳に羽を落とす


木々、落ちる葉の中

地を知る者は何れぞ?

鴉の問いに

人は答えを知らなかった




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