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幻想詩編
緋業の桜
さくらよ桜 もし叶うなら


捧げる歌とともに

恐れを知らぬ、魂に導を


永遠に潜み

影に怯える


危ぶむ鬼に

酒水を重ねて



さくらよ桜 もし散るのなら


その咎と罰とともに

散りゆく花を、緋に染めて


贖罪は地を這い

後悔に燃え


笑う骸は

輪廻に外れて



桜よさくら もし咲くならば


怒りの叫びとともに

永劫に、繰り返す


廻る営みは

罪を重ね


法悦に酔い

涙に穢れて



燃えて、燃えて、燃えて

緋業の桜は燃えあがる

咲き、咲き、咲き、始まりは昏く

花は償いの産声を上げる

散り、散り、散り、最期に明るく

花の断末魔は続いていく


緋業の桜は燃えあがる

罪の悦びを忘れぬ限り

咎の甘さに溺れる限り


あなたが生きている限り






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