幻想詩編
旧、天涯、名ハ、心(ココリ)
その 散り往く姿が愛しくて
九々 三々 と
撫で 仰ぐ
十重 二十重 と
頭が
軽く
高く
赤く
広がる 銀の空
澄み 沈み
高く
赤く
広がる
下る 都に忘れた心
落ちる 銀の
灯し、台に照らされて
赤く
墨塗りの 坊主は笑う
嬉々 寄々 と
誰か
涅槃 と 叫ぶが
遠く
木霊し 助けは消えた
何処に
此処へ
人一人として救えず
ただ
闇、雲に
それは
むかし
銀の調べ に
鉄に答え て
金に記した
裏切り者の
赤い
その
名を
救い 違い
走り
去り
降り 師 斬る
赤い
仮面の内に
赤い 糸
想い 激しく
灯は 消せども
非は 消えぬ
赤い 花の 意図
想えども
届かぬ
苦悶
それは
むかし
真に
想い 赤く
世に 赤く
夜に 形残して
彼岸を渡る
声 届かず
追えども
悲しく
瞳
赤く
広がる
かつてに 想い
天涯に
赤く
赤く
赤々と
叫ぶ 名は
白衣に 赤く
雪化粧
斑は 溶けて
星になる
強く 抱き 占め
崩れて 泣く
胸の内
赤々と
想い
想い
赤く
修羅
想い
重い
鋼 に、乗せて
夜見に 夕暮れ
光は 軽く
一人 斬りでの
想い酒
ひらり
ゆらり
舞う 桜を落とし て
彩り 赤く
光 無く
それは
むかし
むかし
むかし
天に 馳せ
想い 届かず
名を
心
暗い世に
雨音 苦 光と
共に 有り
赤く
赤く 鳴る
その
魅女 麗しき 名を
心
と
それは
むかし
むかし の
銀の内
赤い 物の語り
いずれは 忘れ
形消え
想い のみ
残るは
赤い
死人 想い
彼岸 花
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