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幻想詩編
神的戯曲
人は月と語り 自我、何たるか、を知る

月の影に 揺れ行く身は呵責に耐えて…

途方も無く 悦び乍(ながら)


――此処に来て、なお――


やがて…

矢を当て 世も暮れ
射て得た 冠

火 揺れ踊る! 喉に熱い酒を...


月は人と語り 真実を知る

人の身の甘きこと

不義と戯れ 穢れつつ…


――知り得て、なお――


――それでも――


引き出した、臓物は黒く

白衣に包まれ、紅く汚す

抉り出した、紅!紅と!

淑女の破顔、悦びすすり嘗める

浮き足、立った

朽ち果てて、美しい人!

六道に帰る...


――さあ、ここから――




一、二、三、四、五、

六、七、八、九、十、

百、千、万、零、無




神道に吐き捨てた自我よ

髄から貪る

我々のモノだ!

世にあまねく

全て 統べて を、以て!

河に流して 氷河と成らん

黒き石に 背を貫いて

在る者とする



晴れ渡る 自我の空

引き裂いて 四肢を呪い 吐く

何度も 幾度も

天 照らす

嘘とも 知らず

汚された

此処に 在った

誉れすら、嗤う


真実、で、あるか


「ここで、望む事は、罪であるのか」

「否か」

「あの空へ、渡り、たまえ」

「神?契り?ほざく、な!」


心 惹かれるモノだ!

道行く 心に

在っては ならぬ、と其処に、そぅ 史実が 在っても

それは 事実には 成り得ない


責に耐えかね 母は逝く

乳飲み子に 心残して

白衣に包まれ うめく子は

見ぬ 父への怒りを残して

切っ先を 掴む


這いすがる 娘は地をすすり 嘗め

明日を閉ざした


二つ 河はすでに 涸れた
光無き瞳に 力宿し、て
明日に 光は在った

紅き 光 怒り

恨み 呪われ、て


進む先は 見えぬ


白目を 剥いて

運命を 掴み

引き摺り 込まれた


りりりりんりりん


りりり と、鳴る

千年白夜 鈴の音

蜘蛛は獄、彩に彩られ

逢わします 神を 祀る

虚実!


だが


――かうして、世界、が――


霊光 閃き 渡る鳥

奇しくも 笑い事、と共に

謳います


恨 怨 恨まれ

幸せに 蝕まれる

不幸せ な 幸せ

それは 幻...


神(カ)の国 道への導に迷う

鳶、狐 見たる逆説

明々と 在る

「今までの物とは」

「違う」

雷 で

神 契る


百八つの人 流るる

六 六 六刃

三世に跨がり

鐘を映す


響き 出でたる 彼


私の 唇は

進退!


一度 打ち出た 鐘は白夜

九厘 の輪廻 名だたる波涛に

止まぬのは 百の瞳

恨めしくこの背に受け

神化の奇蹟を握る

分化の果てに

知る為に


紛う 禍言と叫び

悔い、契りて


「責、有る人」

「唯耐え」

「子は?」

「神に託し」

「暁よ」

「歌え」

迫る 朱の炎にも気付かずに

呪咀 口ずさみ 月は笑う

白夜の道は 黒に明るく

綴る 地より

否を 是として


天よ 彩裂き 照らせ

光よ 導き 到れ

辿り着く先には 紅蓮の海よ


迷い子よ 炎に游ぐ

焼かれても 游ぐ

それが 僥倖だと 信じて

唯一だと

信じながら…


「我、彼の地より望む

世にあまねく 全ての者に...


この世から

恨みは消えず

全て

衆生がある限り」


「これは、人が人である故に

定められた世の理

抗う事は叶わず

唯あるのみ」


「だが 理を受け入れ

己を、人を、世を

変える事は出来る」


「これが 結果だ


人は 恨みに呑まれず

生きている


そう、これが 結果だ


呪咀の風を受け 憎しみの海に帆を!

そして、希望の大地を掴んでほしい

変わる恐怖に打ち勝ち

新たな 地へ...」





―――追憶―――




私は幾度となく 裏切られてきた


しかし


私は信じている



進化の果てに 人が掴む



希望という 未来を―――‥‥


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あきゅろす。
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