何か?
3
「…置いてかないで」
さっきの強気な発言が嘘のように、急に甘えだす。
『…別にただの買い物だよ』
不覚にもときめいてしまったので、意地悪をやめる。
てか、私はこれに弱い。
「…」
途端に沈黙、不機嫌、かな。
『はい、だから腕。は―な―し―て』
「キスして」
……またいきなり何だこのバカは。
『帰ってきてからね』
する訳ないけど。
絶対しないけど。
「今がいい。今してほしい」
体勢からしても無理。
『…出来ないよこのままじゃ。離して』
するとにサッと腕を外す。
ほんとバカ。
『じゃ、行ってきます』
振り返らずに、すぐ外にでる。
実はこっそり会話途中で足を動かし、靴履いてました。
バタン
「…っ待って!」
泣きそうな声が後ろからして、(内心面倒だが)振り向く。
「ずるい!騙したな!!」
『はいはい、すぐ帰ってくるから、ね』
自分よりはるかに高い頭を撫でる。
「〜〜ついてく!待ってろ!!」
焦って靴履いてない状態で出てきてたバカは玄関に戻った。
「行くぞ!」
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