何か?
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………?
「あ、ごめん、その…だめならいい…てかやっぱ忘れて、気にしないで」
顔を上げずに手を振るサチ。
まずい!違うんだって!
てか、これは俺に都合の良い幻聴とかじゃないよね!?
焦りながらも頑張って喋る。
『まままままま待った!そそそのそれはOKってことだよね!!?』
「う、ん…」
激しく吃ったとか、もう全く気にならなかった。
『ありがと―!』
「え、ちょっ」
駅のロータリーど真ん中、勢い良くガバッと抱き着く。
サチと付き合える!
これからサチと暮らせる!
幸せすぎて死にそう!!
首筋に顔を埋めて、俺とサチだけに聞こえるくらいの声で
『幸せに暮らそ―…』
そう呟いた。
―――その瞬間、サチが強く俺の肩を掴んで、俺の体を離した。
……あれ?;
もしかしてしくった?
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