何か?
8
『…ん、いいよ』
そんなこと考えてたから、返事がワンテンポ遅れたけど、特に気にしなかった。
というより、不安が大きすぎて考えてられなかった。
「…うん、それでね?…この前の話なんだけど……」
そこまで言って、顔を一回伏せるサチ。
メール見たときからずっとどくどくいってた心音が、一際大きくなった。
『…うん』
心臓がうるさい。
この心音のせいで、サチの言葉が聞こえなかったらどうしてくれる。
ばか!俺の心臓ばか!!
頭ん中で心臓を叱咤していた。
「今更だけど、…私でいい?」
だからか、サチの言葉が一発で理解出来なかった。
『はい?』
[前][次]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!