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Zill O'll infinite
Life Goes OnE
「ウフフアハハ!久しぶりだねナツキ!」


「……君か。また会ったね」


「……えっと、シャリにエルファス。何で君達がここに?」


黒い霧に包まれ、視界が一瞬真っ黒に染まったかと思うと、その直後には新たなる光景が目の前に繰り広げられていた訳で。


どうやら先程の場所から、強制的に瞬間移動させられてしまった様だ。恐らくは目の前の少年達の手によって。


「アハハ、君が危ない所だったからさ。ちょっと助けてあげようかと思って」


「……それはまたどうして」


「もう、そんなに怖い顔しないでよナツキったら!今回は僕、君の味方するつもりなんだから」


無邪気な笑顔で言い放つシャリの姿に怯むナツキ。彼は子供に弱いのである。
その上敵対関係にあるとはいえ、助けてもらって敵対心が薄れてしまった様だ。


「えーっと、その点に関してはありがとう。正直凄く危ない所だった……」


「くすっ。本当に面白いよ君って!さすがは勇者様、人気者は大変だね」


「何かよく解らないけど、まぁとにかく大変だったよ……」


「しかも自覚がさっぱり無いんだから。ふふっ、君ってば本当に罪な人だね」


「つ、罪……?」


やはり自分の振り撒く魅力にさっぱり気付けないナツキ。そんな彼は巷では「天然魅了魔人」と呼ばれていたりして。


「……それはともかく、しばらくはロストールに帰れそうにないなぁ……」


はぁ、と溜め息を隠せない様子のナツキに、シャリがチャンスとばかりに微笑んだ。


「それじゃあさナツキ、ほとぼりが冷めるまで僕らと一緒に来ない?ちょっと君に協力してほしい事があるんだ!」


「えっ、協力してほしい事?まあ助けてもらった事だし、俺に出来る事なら何でもするけど……」


「本当っ!?ありがとうナツキ!そう言ってもらえて嬉しいよ!」


にっこぉ、と。ナツキに負けず劣らず素敵笑顔炸裂なシャリ。
そしてやっぱり子供に弱いナツキ、その笑顔に素で魅了されてしまったのだった。


「それじゃあ、君にはこれから僕と一緒に、エルファスの布教活動の手伝いをしてもらいたいんだ」


「布教の手伝い?俺にそんな事出来るのかなぁ……自信ないよ」


「アハハ大丈夫!君はただ後ろに立っててくれるだけでいいんだから」


「立ってるだけ……一体どんな布教するつもり?」


「細かいこと気にしないでいいから!他の事は全部僕らに任せてくれればいいよ」


「う、うん。まあそれくらいになら俺でも出来そうかな……ってどうしたのエルファス、さっきからずっと黙ったままだけど?」


ナツキの指摘した通り、最初の挨拶からずっと言葉を発していないエルファス。
その顔は何故か真っ赤に染まっている。


「あっ……あの、その君の格好は、一体何が……」


「俺の格好……?


……って、うわああぁぁっ!!!」


上着をはだけられて、思いっきり露出されている胸元。
更にベルトが外されかけており、その中途半端っぷりがやたらいやらしく。
今更ながら自分の格好に気付き、慌てて服装を整えるナツキであった。


と言うか、素敵に生足ヘソ出しなエルファスに言われたくない台詞であったが。


「あ〜ぁ、言っちゃ駄目だってば!折角面白い格好してたのに!」


「〜〜〜ってシャリ!気付いてたんなら早く教えてくれよ!」


「アハハなかなか素敵な格好だったよ?」


「それは同感かも……」


「って何言ってんだよ二人共っ!言っておくけど俺に露出する趣味はないんだからなっ!」


「あっそうだいい事思いついちゃった!ウフフ、それじゃあ早速布教活動の準備に取り掛かろうっ!行くよ〜二人共!何だか面白い事になりそうだ!」


「って何を企んでるんだ!?だんだん不安になってきたんだけど……!」


「アハハ気にしない気にしない!よし、それなら手始めにエンシャント辺りに行こうか!ウフフアハハ、きっと面白い事が起きるよ〜!」


「うっわぁ本気で心配になってきた!
ねぇエルファス、シャリってば毎回こんなテンションなの?」


「いや、君が来てから何かスイッチが入っちゃったみたいだ……」


「ほら何してるの二人共!早く行くよっ!」


やる気満々なシャリに連れられて、とりあえずはエンシャントに向かう事になったナツキであったが……。

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あきゅろす。
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