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06(終)



「女神は人を愛し、世界を愛した。その圧倒的な力を恐れた創世記の人間達が勝手に彼女を異端と称しているだけだ。異端とするならば愚かな創世記の人間だ」

「シンは女神を信じてるアルか?」

「俺が戦うのは女神の御為だ」

「……」


そんなシンとメイファのやり取りを、優はどこか遠くの世界の出来事のように感じていた。
心臓が鳴り止まず、優は額に滲んでいた汗を手の甲で拭った。




(あたしは…)









──何かを忘れている?












「───おい、優?」


頭上より降ってきたシンの声にハッとして顔を上げると、ばっちりと彼の瞳と目が合った。


「どうした。イザヤに何か言われたのか?」

「あ──ううん、何でもない!それよりシンはもう用事終わったの?だったら観光したいんだけど、シン街中案内してよ。あたし達アジアンだけだと怖いからさ」

「やった、観光アル!早く行くヨ!」

「あ…おい、優!」


声を上げたシンの声が届かなかったのか、脱兎の如く駆け出したメイファの後を優は追い掛けていき、あっという間に二人の姿は見えなくなった。


「………」


シンは溜め息と共に肩を落とすと、仕方無く二人の少女の後を追い掛けていった。






to be continued...

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