私と携帯獣
あたらしい「くつ」
ポケモンというものは、基本的にモンスターボールに入れて持ち歩くものだ。
けど、ウツギ博士たっての依頼で私はヒノアラシに関してはボールに入れずに連れ歩くことが許された。
それはすなわち、そう…私が歩き出すと、ヒノアラシがその後ろをトテトテとついてくるわけで。
可愛い…!!
ワカバタウンから出ていないにも関わらず、私は既にヒノアラシの可愛さにメロメロ。
しかし数歩行っては振り返り、数歩行っては…と繰り返していてはポケモンじいさんの元には到底着けそうにないため、私はヒノアラシを腕に抱えて歩くことにした。
草むらではポケモンと闘わせて、それ以外では無理させない程度に歩かせてから腕に抱える。
この動作を何回か繰り返す後、私とヒノアラシはヨシノシティにたどり着いた。
初めてのポケモンセンター。
初めてのフレンドリイショップ。
笑顔のお姉さんに見送られてポケモンセンターを出て、私は身を屈めてヒノアラシと視線を合わせた。
「ヒノアラシ、初めてのポケモンセンターどうだった?」
「ヒノヒノ!」
「そうかそうか、気持ちよかったか」
パシパシと私の真新しい靴を叩きながら鳴くヒノアラシは随分と嬉しそうだ。
ちなみにこの靴、さっき出会ったおじいさんに貰ったばかりのものだ。
ヨシノシティに着いた途端、ランニングシューズを履いた気合いバッチリのおじいさんがいきなり現れ
「これからワシがヨシノシティについて教えてやる!」
と半ばランニング状態で観光案内をしてくれた挙げ句、この靴を記念にくれたのだ。
それにしてもあのおじいさんの俊足っぷりはすごかった。
生まれ故郷のワカバタウンで知らない人はいないけど、ワカバタウンから一歩外に出ればたくさん知らない人がいる。
その事実は、再び私の胸を高鳴らせた。
(このままポケモンじいさんの家まで一直線だよ、ヒノアラシ!)
(ヒノヒノ!)
[次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!