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Vongole Company
058名前の圧迫
「あ、来たね、悠南。

おはよう」



「…オハヨウゴザイマス」



起きてるんなら起きてこいよ…!!



雲雀さんの部屋に入ると、雲雀さんは既に起きていた。

しかもちゃっかりしっかりスーツまで着替え済み。



なぜ京子さんじゃ起きない、とか言ったのか分からないよ、私には…!!



「雲雀さん」



「何?」



私がムスッとした表情で言うと、雲雀さんはクスリと笑った。

嘲笑、といった感じで。



絶対遊んでやがるよ、コノヤロウ…!!



「明日からは京子さんたちが起こしにきたら、起きてください」



「嫌だ」



「…は?」



私の言葉に即答する雲雀さん。

うん、もう清々しいほどキッパリとね…!!



拒否ったよ、この人…!!



さらに雲雀さんは私の頭に手を置いて言う。



「君がこないなら絶対起きないから」



「はいぃぃい??!」



ま、まさかここまで我が儘だなんて…!!



でも、と私は思い付く。

そうだよね、うん。

雲雀さんが起きようが起きまいが私には関係ないじゃないか…!!



私が勝ち誇った気持ちを抑えつつ口を開くと雲雀さんがニヤリと笑った。



あらら?

な、何、その不敵な笑みは…!!



雲雀さんは手を私の頭に置いたまま言う。



「僕が朝起きようがどうだろうが君には関係ないとでも思ってる?



ワオ、おめでたい頭だね」



よ、読まれてるー!!

私の頭の中、見事に読まれちゃってるんですけれども…!!

あれ、この背中を伝う寒気はなんだろう。

あ、冷や汗だね、うん



雲雀さんは笑いを含みながら言葉を続けた。



「僕が起きないと仕事が詰まるのは分かってるでしょ?

仕事が詰まるってことはつまり…



綱吉に



迷惑かかるってことだよ」



綱吉、というワードをやたらと強調する雲雀さん。

対して綱吉、という言葉に固まる私。



雲雀さんの思う壷じゃないか…!!


とは思うものの、私にとって綱吉、というワードは重すぎた。

なんていうかね、うん、私の本能が綱吉さんには関わっちゃいけないと危険信号を発してる気がする。

どうせ私にろくなこと起きないからね…!!



固まった私に雲雀さんは少しムッとしたような顔をして、私の髪をクシャクシャッと撫でた。

そして私の腕をグッと掴むと、そのまま私に背を向けた。

すると雲雀さんは部屋を出るため扉へと足を向けた。



「…僕といるときに他の男のこと考えるなんて咬み殺すよ?」



となぜか釘を刺される。



いやいや、そういうの逆ギレっていうんですよ…!!



私は雲雀さんに腕を引っ張られながら、表情の見えない雲雀さんの後頭部を見ていた。



それより他の男を思い出させたの、あんたでしょ…!!



と思いながら。

男の方はよく分かりません、神様…!!

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