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Vongole Company
086
「む、骸…」



テレビ電話の画面にへばり付くように映っているのは骸。

受話器を傍らに置く。

そして思わず獄寺はへなへなと手身近な椅子に腰掛けた。

画面を見ていない面々も骸の声に苦笑をこぼす。

リボーンにいたってはチッと大きな舌打ちをし、携帯へと視線を戻した。



スッ



誰かが座っていた椅子を立ち上がる。



「先程から悠南の携帯に電話をかけているんですが…

繋がらないんですよ!」



一人でベラベラと喋る骸。

ノンストップで顔をドアップにしながらギャーギャーといつになく騒いでいる。

獄寺は椅子の背もたれに寄り掛かりながら、電話とは正反対を向きケッと口を開いた。



「悠南はな、行方不明になってんだよ!」



獄寺の答えを聞き、ピタリと叫ぶのをやめ骸は大袈裟に目を見開く。

そして切羽詰まりながら泣くような勢いでまた話しはじめた。



「行方不明?!

誰が原因です?!

僕がいない寂しさでの家出ですか?!」


ずんずんずん…



大股で部屋を横切る青年。

そして電話の前でピタリと止まり、ジロッと画面を見下ろした。



「あっ、恭弥!

僕は知ってますよ、君が悠南に携帯を持たせていることを!

だから悠南の電話番号も知っています!」



君だけが知っていると思ったら大間違いです、と骸はフフンと笑う。

対して雲雀は

「ふーん、そう」

と冷酷な目で骸を見る。

しかし骸はそんな雲雀の機嫌にまったく気付かず、ハッと思い出したように叫びはじめる。



「そうです、恭弥!!

もしかして君が悠南に何かしたんですか?!

そうなんですね?!」



スッと長い指が電話のボタンに伸びる。



「恭弥、さっさと答えなさ」

ブチッ



骸の言葉を遮り、雲雀は電話自体を破壊しかねない指圧で会話終了ボタンを押す。

静まり返る広間。

再び聞こえるのはそれぞれの電話の呼び出し音のみ。

しかしいっこうに呼び出し音が途切れることはない。



「おい、出ねーぞ、探しにいった方が早ぇ」



リボーンがイライラと呟き、広間を後にしようとした時だった。



「おっ、悠南か?!」



山本の声で広間の視線はすべて山本に集まる。

山本はシーッと人差し指を口に当て、話しはじめた。

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あきゅろす。
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