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Vongole Company
083着信履歴
私の叫びを聞き、ベルさんがなんだよ、と顔をしかめる。

隣のマーモンさんは私の携帯のディスプレイを覗き込み



「ムッ」



と少し唸った。

私もマーモンさんもディスプレイを見て固まる様子にベルさんがシシッと笑う。

そして軽々とベッドのスプリングを利かせベッドから飛び降りると私の近くに音もなく走り寄ってきた。



「シシッ、王子にも見せろし♪」



そう言い、私の手から携帯を取り上げた。

ベルさんがディスプレイを見る。

しばしの無言が続き、響き渡ったのはベルさんの笑い。



「シシッ、着信150件、メール200件とかどんだけだし♪」



…私が携帯を開き見たものは。

数え切れないほどの着信履歴、メールの数々だった。

しかも名前は全部

獄寺隼人、山本武、雲雀恭弥、君のダーリン、リボーン、笹川了平、イーピン

のどれか。

一つだけおかしな名前で登録されていても気にするどころじゃない。



一分おきに電話って…

新種の呪いですか…!!



綱吉さんの名前が履歴にないのが気になった。

…って、綱吉さんと私は喧嘩したんだから当たり前じゃん…!!



私がぷるぷると頭を降っていると

ボンゴレの幹部たち、どんだけ暇なんだよ

とベルさんがニヤニヤと笑った。

そして「お、電話だ」と呟き、私に携帯を放り投げる。

間一髪で携帯をパシリと受け取り、ディスプレイを見れば…



「や、山本さん…!!」



山本武、という文字が明るく点滅している。

出ようか出まいか悩んでいるとベルさんがトンと私の背中を押した。



「出りゃいーじゃん、山本武は嫌いじゃないんだろ?」

「まぁ、はい、って…え?!」


そう言いぐいぐいと私の背中を押し、私は部屋の外へと出された。

「電話終わるまで部屋入れねーし♪」

シシッと笑う声が扉の向こうから聞こえる。



…まあせっかくの機会だし。

相手は山本さんだし。

私の癒しだし。

綱吉さんとか出てきたらブチ切ればいいんだし。

様々な理由を取ってつけ、私は意を決して通話ボタンを押した。


「もしもし…?」












「いやにベル、優しかったね」

「シシッ、何が?」

「山本武から電話なんてベルのことだから携帯折るかと思ったよ」



マーモンの言葉に、ベルは扉に背を預けながら答えた。

「シシッ、俺にも考えがあんだよ」

「…?」



ベルの笑いに少し冷や汗がながれたマーモン。



ベルのやつ…

絶対、悠南にとって嫌なことするつもりだ…

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