Vongole Company
082ヴァリアークオリティー
探検、と連れ出された私。
ティアラの青年は近くの部屋に入り、
「シシッ、座れよ♪」
とベッドに腰掛ける。
うっわぁ…広い部屋…
ボンゴレ寮とは違い、少し西洋風な部屋。
キングサイズのベッドとか、やたら大きいソファーとか…
広間でもないのにすごいな、と思いながら私はソファーに腰を下ろした。
隣には紫色フードの人が座る。
ちぇっ、俺だけ仲間外れじゃん
と言いつつティアラの青年は足を組んだ。
「俺の名前、ベルフェゴールね。
王子だからよろしくな、シシッ♪」
不敵に笑う様子は雲雀さんとどことなく似ている。
よ、よろしくお願いするです…
私は小さく返事をした。
ベルさん、うん、ベルさんね…!!
と頭の中で繰り返す。
自ら王子とかどうなのよ、うん
すると紫色フードの人が隣で口を開いた。
少し高めで透き通るような声が部屋に響いた。
「僕の名前はマーモン。
好きな物は金」
な、なんて人だ…!!
可愛い顔してなんてこと言うんだ…!!
私がマーモンさんの発言に目をパチクリさせているとベルさんの声が聞こえた。
「じゃあお前の名前は?」
名前聞いてねぇし、シシッと笑うベルさん。
私は素直に名前を答えた。
「悠南です」
「ふーん、悠南…か
日本人だろ?」
「えぇ、まあ」
クッションが天井に高く上がる。
私と受け答えをしながらベルさんがクッションで遊んでいるのだ。
私もマーモンさんもどことなくクッションを見ていると、いきなりクッションの綿が空中で散った。
何かにちぎられたように。
「ちょ、え、はぃい??!」
いきなり散った綿を呆然と眺める私。
だってさ、いきなり…ね?
散ったよ、綿が☆
しかしそんな非現実的なことにマーモンさんは全く顔色を変えず。
ベルさんにいたっては
「悠南おもしれー」
と笑う始末。
そしてベルさんは何かを取り出して見せた。
銀色に輝く…
ナイフ?!
ベルさんはシシッと笑い、
クッション飛ばしたときにこれで切り刻んだの見えなかったのかよ、
と言う。
見えないよ、そんなもん…!!
「やべぇ、悠南おもしろすぎる」
「一般人は面白いよね」
ベルさんとマーモンさんに口々に言われ。
なんだよ、コノヤロー
と私がそっぽを向いていると、横のマーモンさんにとんとんと肩を叩かれる。
私がマーモンさんを向くと、マーモンさんは私のパーカーのポケットを指差していた。
「ねぇ、さっきから引っ切りなしに光ってるよ」
「…へ?」
私が確認すればなぜか入っていたのは…
「携帯??!」
「いまどきの人間で携帯にそんな驚くやついねーだろ」
小さく薄い最新型の携帯。
い、いつの間に…
私、携帯なんて持ってないのに…
見れば本当に綺麗なイントネーションで光っている携帯。
私は意を決して携帯を開いた。
「しぎゃああああ??!」
ディスプレイを見た瞬間、私はできる限りの大声で叫んだ。
こ、これは何かの悪夢だ…!!
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