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Vongole Company
079予想外なスクアーロさん
私がスクアーロさんの彼女だ、と勘違いしている目の前のオカマさん。

残念なことにスクアーロさんの顔も見たことがない私。

口調的に中年のおじさんな気が……と考えていると、遠くから返事が返ってくる。



「ゔぉおい、俺に彼女なんているわけねぇだろぉ!!」



オカマさんは負けじと叫び返す。



「だってトランクに女の子が入ってたんだものー!!」



そしてちょっとごめんなさいね、と言いながら私をトランクからひょいと出した。

なんて力だ…!!

私を地面に着陸させ、私の肩を掴むオカマさん。



「ねぇ?

これスクちゃんの彼女でしょ?」



私が降り立ったのは門の前。

目の前には大きな庭。

そして100メートルほどして屋敷がある。

屋敷に早足で向かっていたであろうスクアーロさんらしき人影は



「あ゙ぁ?!」



と振り返り、私を見た。

スクアーロさんは私が想像していた中年のおじさんよりずっと若かった。

綺麗な銀髪。

鋭い目。

高い身長。

30台前半のモデルのようにカッコイイ男性だった。

スクアーロさんは私の姿を見るなり全力で突進してくる。



やばいって、怖いって!!



鋭い目をした男が全力で向かってくるというのはかなり恐ろしい。

そのまま吹き飛ばされるんじゃないか、という勢いでスクアーロさんはあっという間に目の前に来た。

そして全く息を切らさずに私を上から見下ろした。



「お前…

もしかして悠南かぁ??!」



まさか、とでも言うかのようにスクアーロさんは私を見る。

私は素直にコクリと頷いた。



「そうです、悠南です」



「あいつらが捜してる家出娘が俺の車にいたのかぁ!!!」



私の答えを聞き、ガックリと肩を下ろすスクアーロさん。

後ろにいるオカマさんは



「え?家出娘?

なんのこと?」



と首を傾げる。

スクアーロさんはキリッと私を見ると、私の腕を掴む。



「とりあえず中に入れぇ、お前をどうするかは後で決めるぞぉ」



そう言い、ずんずんと屋敷に近付くスクアーロさん。



え、何、え、はい?!



状況が理解できない私はスクアーロさんに問い掛ける。



「あの、一つだけ聞きたいんですが…」



「なんだぁ」



私をちらりと見るスクアーロさん。
まるで騒動娘、とでもいうかのように。

いや、騒動娘なんだけどさ…!!



「ここってボンゴレと何かつながりあります?」



スクアーロさんは私の質問に思わず歩くのをやめた。

そしてフンと鼻を鳴らし、再び歩きはじめた。



「当たり前じゃねぇかぁ、ここはボンゴレの支社だぞぉ」



「うそーん?!」



全然ボンゴレから離れてないじゃん、私!

ボンゴレから離れなきゃいずれ綱吉さんにたどり着くじゃないか!!



私の叫びにうるせぇぞぉ!!と顔をしかめるスクアーロさん。



いや、あなたの方がうるさいですから…!!



気付けば屋敷の玄関。

イタリアの文化で土足のまま部屋に入る。



ご立派な屋敷ですよ、神様…!!

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