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Vongole Company
077急発進の末に
「ゔぉおい!!!!

人の車、開けようとすんなぁ!!!」



どんどん大きくなる声。

どうやらこの車の所有者らしい。

そして雲雀さんはやっぱりトランクを開けようとしていたことが分かった。

雲雀さんの小さく舌打ち音が聞こえる。

するとすぐに別の足音が響いてきた。



「まあまあスクアーロ、そうカリカリすんなって!

雲雀も人の車に手出すなよな」



嗚呼、この爽やかな声は山本さん…!!



この車の所有者はスクアーロさんという人らしい。

さきほど広間で山本さんが笑っていたのはスクアーロさんと話していたからだろう。

雲雀さんはフンと言い、スクアーロさんは



「一言ぐらい謝るのが筋ってもんだろぉ!!!」



とお怒り中。

そんなスクアーロさんを宥めながら、山本さんは雲雀さんに話し掛けた。



「ところで雲雀、お前がこんなとこにいるなんて珍しいのな。

なんかあったのか?」



流れる沈黙。

雲雀さんは長い沈黙の末答えた。



「悠南が家を飛び出したから捜してるだけだよ」



「悠南が?!

お前それ一大事じゃねぇか!!」



慌てた様子の山本さん。

心配してくれてありがとう、山本さん

でも私はここから立ち去ります…!!



うーん、と考え込む山本さん。

腕を組んで真剣に悩む姿が目に浮かんだ。

一方のスクアーロさんは



「なんか知らねぇが俺は帰るぞぉ」



と運転席に乗り込む。

ドアを開く振動が体に直に伝わった。

エンジンをかける音が聞こえる。



これでボンゴレともさよなら…か



目を閉じながら綱吉さん以外に感謝の言葉を心の中で言っていると、突如

ガンッ

という音が車に伝わる。



「なにすんだぁ!!

ガラスはたけぇんだぞぉ!!」



スクアーロさんの怒声からするに窓を叩かれたらしい。

しかし窓を叩いた本人は気にもとめない様子で尋ねた。



「君…

悠南をかくまったりしてないよね?」



「してるわけねぇだろぉ!!

第一俺はそいつを知らねぇぞぉ!!」



カンカンに怒ったらしいスクアーロさんはそれ以上何も言わずに車を急発進させる。

思わず頭を思い切り壁にぶつけたけれどヨシとしよう。



行き先はわからないけれど

この先行く場所でまともな人生を歩もう



とトランクの中で願ったハズなのに。
なぜこうも上手くいかないんでしょうか、神様…!!

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あきゅろす。
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