Vongole Company
074硬直する彼
後ろも振り返らず玄関を全力で目指す。
ドタバタと騒々しい音をたてながら走っていると、一つの部屋の扉が開き、腕を掴まれる。
「ねぇ、うるさいんだけど」
私が顔を上げずにいると、上から迷惑そうな声が聞こえてきた。
私はそんなのお構いなし。
ただ綱吉さんへの怒りが満ちてくるばかりだった。
綱吉さんの馬鹿
何が感謝しろだ
自分何様だと思ってんですか、コノヤロー
目からは無意識のうちにとめどなく涙が流れる。
雲雀さんは顔を上げない私にいらついたのか、反抗する私の顔を両手で挟み上に向かせた。
雲雀さんの目は閉じたまま。
雲雀さんは目をつむったまま口を開く。
「上向いて返事しな……?!」
目を開けた雲雀さんは私の顔を見て硬直する。
その力が緩んだ一瞬の隙に、私は雲雀さんの手を顔からどけまた走り出した。
今はボンゴレの誰にも会いたくない…!!
広間から山本さんと誰かの声がする。
笑っていてすごく楽しそうだ。
山本さん、拾ってくれてありがとうございました…!
私は心の中で感謝する。
そして玄関にたどり着き、私は庭へと飛び出した。
どこかへ行かなきゃ…
綱吉さんに二度と会わないようなところへ。
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