Vongole Company
056
宴会の後、それぞれ自室に戻ったはずの女性陣。
しかし実際はビアンキの部屋に集まり、悠南について話していた。
「悠南ちゃん、プリティでしたねー♪」
「雲雀さんとも話してたよ!」
「リボーンの妹だもの、誰とでも話せるのよ」
「…人生の秘書」
それぞれの意見を言う旅行帰りの四人。
しかしその四人の話題にまったくついていけないイーピンは首を傾げたまま。
その様子に気づいたハルは、イーピンに声を掛けた。
「はひ?
どうしたんですか、イーピンちゃん?」
「…あの、さっきから誰の話なんですか?」
イーピンの言葉にハルは大きく目を見開いた。
イーピンちゃん何言ってるんでしょう?!
ハル、サプライズです!!
ビアンキがベッドから起き上がり、足を組んだ。
そして口を開く。
「誰って…
リボーンの妹の悠南のことよ?」
リボーンに妹がいたなんて知らなかったわ、とビアンキは頬に手を当てホゥッとため息をつく。
その言葉を聞き、イーピンは目をパチパチとさせた。
「リボーンさんの妹?
悠南ちゃんが?」
「…あら、違うの?」
またリボーンさんが嘘を…!!
イーピンはリボーンの悪ふざけにため息をついた。
ビアンキは軽く目を見開き、ハルと京子も身を乗り出す。
クロームもソファの革をキュッと握り締めた。
そしてイーピンは誤解を解くために口を開いた。
「悠南ちゃんはリボーンさんの妹じゃありません。
悠南ちゃんはリーディオファミリーの………」
「なんだ、リボーンさんの妹じゃないんですね!」
「ご両親の元から…」
「…なんとなく寂しそうなのはそういう訳ね」
「…孤独…私と一緒」
イーピンから悠南の経歴を聞いた女性陣は口々に感想を漏らした。
悲しい過去
孤独な過去
寂しい過去
ビアンキはベッドから立ち上がり、ソファに近づいていく。
ビアンキが近くにきたのを見て、ハルは口を開いた。
「悠南ちゃん、すっごく良い子そうでしたよね!」
「うん♪」
「気に入ったわ」
「……妹」
それぞれに頷き、ハルは目を輝かせた。
「こうなったらハルたちも負けてられません!
ツナさんたちから悠南ちゃんを奪還です!!」
なぜかオー!!と盛り上がるメンバー。
イーピンは一人で冷静な突っ込みをしていた。
奪還って…
なんで?!
女性陣のよく分からない熱気に溢れつつ、夜はふけていった。
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