Vongole Company
055エスプレッソ
今は宴会が終わり、解散になった後。
みんなで一緒に料理やら片付けて(雲雀さんは帰っちゃったけど)
それぞれ自室に帰っていった。
少し広間でゆっくりしてから部屋に行こうかな、なーんて思っていたら
「エスプレッソ入れろ」
拳銃持ったカッコ良くてみんな惚れちゃうゾ☆って感じのお兄さんに命令されてしまいました。
さっさと帰れば良かった…!!
と思ったのも後の祭りなわけで。
おとなしくエスプレッソを入れ、リボーンさんの前に置いた。
エスプレッソなんて入れたことないけど、お湯入れれば大丈夫……だったよね?
私は昼間、ビアンキさんたちに聞いたことを改めてリボーンさんに確認する。
「ビアンキさんたちに私の存在教えたのってリボーンさんですか?」
「そうかもしれねぇ」
「そうなんですね」
やっぱり、と私はため息をついた。
旅行中のビアンキさんたちに私の存在を言うなど
リボーンさんしか
ありえない。
「なんだ、言っちゃまずかったか?」
「いえ、そういう訳じゃないんですけれども!!」
リボーンさんはエスプレッソのカップを片手に持ちながら言う。
自分の知らないところで自分のこと知られてるって怖くないですか?!
とは言わないでおこう。
まだあの世には逝きたくないからね、うん
リボーンさんがエスプレッソに口をつける寸前に声を掛ける。
「あのー…」
「ん?」
最後に一つだけ確認しておこうか。
「私のことをなんと説明しましたか…?」
「お前、エスプレッソ入れたことねーだろ
最高のまずさだぞ」
綺麗にスルーしやがった…!!
絶対変なコト言ったよ、この人…!!
しかもエスプレッソまずくてすみませんね…!!
リボーンさんはコトリとカップを皿に置き、立ち上がった。
そしてニヒルに笑い、扉に向かっていく。
廊下に出る寸前、リボーンさんは少し振り返り爆弾発言を私に投下していった。
「俺の妹って言っといたぞ」
じゃあな、と手を上げながら言いリボーンさんは夜の陰に消えた。
「そうなんですか、って
はぁぁあ???!」
私の叫びが寮に響く。
私はリボーンさんの残したエスプレッソをガチャガチャ言わせながら口をあんぐり開けていた。
リボーンさんの妹とか無理ありすぎだろ、オイ…!!
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