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Vongole Company
050舞い降りた天使
声を掛けられたことで一気に脈拍数が上がったマイチキンハート。



ば、バレちゃったし…!!



私は女性陣を振り返らずに前を見つめ続けた。

前にはなぜだか楽しげな綱吉さん。



コノヤロウ、人事だと思いやがって…!!



私は恨めがましく見るが、綱吉さんはニヤリと笑ったまま私を見ている。

だんだんと一人の足音が近付いてきた。

その足音は私の背後で止まる。

私の心臓は破裂寸前。

脳内は謝罪の言葉の大洪水。



「もしかして…悠南ちゃんですか?」



「おかえりなさいですゥゥ!!!!」



背後の女性の言葉に返事をする私の言葉。



うん、自分でも分かるさ、見事に噛み合ってないことぐらい…!!

無意識のうちに発せられた「おかえりなさい」。

その言葉はもう三分くらい前に言えれば最高だったのに…!!



それより私、大恥かいてるよね、うん

いきなりおかえりなさいとか言っちゃったもんね、うん



しかも



真正面の綱吉さんが盛大に吹き出してやがるよ、コノヤロウ!!

後ろのお姉さんも



「はひ?!」



とか驚かれちゃってるし…!!



後ろを向けない私。



この状況で向いたら笑いの嵐だよ、うん



とりあえず顔を下に向ける。

真っ赤であろう顔を隠さないと。

それよりこの雰囲気どうする?!

私の発言のせいで話の軸がわかんない…!!



何を言おうか、どうしようか、いっそ私開き直ろうか、



とパニックになりつつ考えていると、誰かがクスリと笑った。



綱吉さんみたいな馬鹿にした笑いじゃなくて…

優しい笑い。



「ただいま、悠南ちゃん」



私の背後ではない女性の声がした。

私が恐る恐る広間の扉を覗くと、三人の女性。

その中の一人の茶髪で美人で優しそうな女性が私に手を振っている。



て、天使だ…!!



私は一瞬にしてその女性を天使と呼んだ。

すると、他の女性も次々に話し始めた。



「はひ!


悠南ちゃん、面白いですね!」



「さすがボンゴレに拾われた子ね」



「…ただいま」



どうやら私に腹を立てている様子もなく。

私はホッと胸を撫で下ろす…



その前に。



「…なんで私のこと知ってるんですか?」



おかしいな、私、皆さんとは初対面なんだけれども。
も、もしかして皆さんエスパー…?!



「んな訳ないだろ」



心の声が口に出ていたようで、正面の綱吉さんに軽く突っ込まれる。



クッ、いつもは突っ込みは私なのに…!!



なんか悔しい…!!

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あきゅろす。
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