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Vongole Company
049日本で言えば姐さん
「ただいまです〜」



「あれ、誰もいないのかな?」



「リボーン?

リボーンは何処なの?」



「…多分仕事」



ガヤガヤとした声が玄関から近付いてくる。

私と綱吉さんは顔を見合わせたまま固まった。



うん、私もボンゴレの女性陣との対面は待ち望んでいた、けれども…!!

いざとなると、やっぱり緊張と照れなんだろうか、



体が動かない!!



綱吉さんも目を軽く見開いたまま動かない。

かと言ってこのまま綱吉さんと向き合ってるのもおかしな光景だし。

が、しかし



「お帰りなさい」



と玄関に叫ぶタイミングも完璧に逃してしまった。



普通

「ただいま」

のあとは、すぐに

「お帰りなさい」

だよね、うん

それが30秒以上経ってから返事返ってきたらおかしくない?!

ちょっとしたホラーじゃんね、それ!!



とりあえずワタワタと手を机の上で動かしていると、女性陣の声が広間の扉の前まで迫っていた。


「おかしいですね、今日はツナさん非番だと聞いたんですが…」



「あっ、もしかしたら広間の中にいるんじゃない?」



「ツナがいたら新作のポイズンクッキング食べさせてあげましょう」



「…あの、広間に入らない?」



特徴的な口調の四人の声はすぐそこまで迫っている。

私は机の上を必死に見つめ続けた。



うん、私には何も聞こえなーい

何が起こっても扉は向かなーい



と暗示ながら。

勢いよく広間の扉が開き、女性の声が広間に響いた。



「はひっ、居たんですか、ツナさん!!

ただいまです!」



「…おかえり」



私の向かいに座った綱吉さんは目をつむったまま答える。

ちょうど女性がいる場所からは私の場所は死角になっているらしい。



いつもは頭ぶつけるから大迷惑な背もたれの高い椅子だけれども…!!

今は大歓迎さ…!!



嗚呼、このまま気づかないで部屋に行ってくれないかな



と願う私。

そうすれば夕食のときにでも自己紹介すれば済むだけの話。

ただ今会うのは…



絶対気まずい!!



居たのに「おかえり」の返事もしなかったんだよ、私!



先輩に挨拶なしとはいい度胸ね、え?



なんて女性陣の方に目をつけられたら終わる…!!

だってマフィアにいる女性って…!

残念ながら私の頭の中には



「姐さん」


という言葉しかリピートされない。

嗚呼、なんてボキャブラリーが少ない&残念な脳なの私…!!



しかし、1番実現してほしくないことが現実になってしまった。



「はひっ?!

そこのプリティガールは誰ですか?!」



多分1番に広間に入ってきたであろうお姉さんが叫んだ。



ば、バレた…!!

姐さんたちとの出会いは最悪です、神様…!!

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あきゅろす。
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