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Vongole Company
048なぜか英語
「最後は俺ね」



強烈なブラックスマイルを私に放つ綱吉さん。



よし、これで最終日…んなワケない。



これでやっと一週間終わった。

つまり、まだ一巡目。

今までの家庭教師があと三、四週は続くのだ。

嗚呼、考えただけで胃が…!!



ちなみに変態ナッポーは昨日の山本さんの剛速球により鼻を骨折したため、今週の家庭教師は無いらしい。



フッ、いい気味だ…



私が一人ニヤつくと、綱吉さんはブラックスマイルのまま



「俺といるときに考え事すんな」



と私の頭をパシリと叩いた。



考え事しなきゃアンタのブラックスマイルに直接の恐怖感じなきゃいけないんだよ、バカヤロー!!



なんて言えたらどんなにいいことか。

残念ながら私のチキンハートじゃそんなこと言えないけどね…!!



くぅっ……



と顔をしかめて自分の無力さに内心で泣いていると、向かいで頬杖をついていた綱吉さんにフッと笑われる。

そして私の方へと手を伸ばしてきた。


あ、やべ、言ったそばから考え事しちゃった…!!



私が反射的にギュッと目をつむると、頭にはなぜかポンポンとした優しい感触が。

ん? と目を開けると、綱吉さんが笑ったまま言った。



「お前表情変わりすぎ」



嗚呼、極稀な綱吉さんのホワイトスマイル…!!

今回は背後にどす黒いオーラが見えません…!!



私が感動の目で綱吉さんを見ると、綱吉さんは私から手を離した。

そして私に向かってますます笑みを深める。



あれ、あれれれ…??!

なぜかどす黒いオーラが復活し始めたァァ??!



すると綱吉さんは口を開いた。



「I'll kill you.」



「なぜ英語ぉっ??!」



なぜか英語で殺すぞと言い出した綱吉さん。

私の叫びに綱吉さんは馬鹿にしたような表情を浮かべた。



「マフィア抗争に役立つ英語教えるんだよ、俺は」



俺の担当教科忘れた? と綱吉さんは自分のこめかみ辺りを叩いた。



いやいや、マフィア抗争に役立つ言葉教えるのは知ってる、けれども…!



「綱吉さんの担当、イタリア語でしょ!!」



私はフンと鼻を鳴らしながら言った。

そう、たしか英語は変態ナッポーが教えるはず。

綱吉さんはイタリア語担当だ。



よっしゃ、綱吉さんに口喧嘩で勝った…!!



と勝利を確信したのもつかの間。

綱吉さんが動じた様子もなく答えた。



「骸の今週分の授業を俺が兼任するんだよ」



嘘ー??!

明らかに今、出まかせ言ったろ、オイ!!



綱吉さんに反論しようと口を開くも、私はすぐに口を閉じた。



絶対零度の綱吉さんブラックスマイルの下で口を開くのは不可能でした、うん



私が黙ったのを見て、綱吉さんは満足げな顔をし、私に命令を下した。



「お前も言ってみろ、

I'll kill you.

って」



「私にはそんな物騒な言葉口に出来ませ「出来るよな?」ハイ、デキマス」



最後の抵抗もむなしく終わり、私は渋々口を開いた。



まさか人生の間にこんな言葉を真顔で言う日が来るとはね…!!



私が口を開き、アイ、と言ったところだった。



「ただいまー!!」



玄関からガヤガヤという女性の声が聞こえてきた。



た、助かった…!!



私が胸を撫で下ろすと同時に綱吉さんが呟いた。



「ビアンキたち…帰ってきたな」


え?!

もしかして私がずっと待ってた女性陣の帰宅?!



ビックリな展開に私は体がついていかなかった。

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あきゅろす。
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