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Vongole Company
040微笑む殺人鬼
「やあ」



「オハヨウゴザイマス」



はい、皆さんこんにちは。

再開しました家庭教師の日々。

二人目の家庭教師とは……



「君、日本人でしょ?



片言やめてくれない?」



雲雀恭弥様です。

なんだかんだ言って私はこの人が1番苦手かもしれません。

怖いんだか優しいんだかよく分からないんですから…!



「ワォ、スルーかい?」



「すみません、雲雀さん」



はい、今はまだ少し怖いってだけです。

少し怖いだけって言っても私の寿命をバンバン縮めているくらいの殺気はあるけどね…!!



広間の椅子に向かい合わせに座る私と雲雀さん。

私はなぜか綱吉さんとリボーンさんが買ったワンピースを着ているものの、雲雀さんは……



「なんで白衣なんですか」



「ワォ、一応理科系の家庭教師なんだけど?」



一応って言ったよ、一応って!!

自分で認めたよ、この人…!



雲雀さんは軽くため息をついた後、私を見た。



「一個くらいは実験しとこうか」



「…は?」



独り言のように呟くとおもむろに立ち上がり、調理場に消えた雲雀さん。

私は口をぽかーんと開けて雲雀さんが戻ってくるのを待っていた。



真面目な顔で待ってるのも怖いじゃないか、うん

ちょっとくらい崩した顔でも大丈夫!!



我ながら意味不明だな、と苦笑すると様々な瓶を抱えて戻ってきた雲雀さんに



「間抜け顔の上に、にやけてると気持ち悪いんだけど」



と厭味たっぷりに言われた。



えぇ、すいませんね…

どうせ気持ち悪いですよーだ!!



内心で思いつつ、口に出したら即死刑になるため黙っておく。



思ったことはそのまま口に出しちゃいけない



とここで何度学んだことか…!!



「悠南、自分の世界に行ってないで手伝ってよ」



見れば雲雀さんが正面の椅子に座り冷酷な目で私を見ている。

やはり机の上には…



「瓶?」



何に使うんですか、と質問すると雲雀さんは楽しそうに笑う。

この人が楽しそうに笑うときは私に害が及ぶ、あるいは…



誰かを咬み殺すときの2パターン。



どちらにしても私…危機だよね、うん。



固まった笑顔のまま雲雀さんに問い掛ける。



「えーっと、



こんなたくさんの瓶で何を…?」



「…知りたい?」


悪戯な顔で雲雀さんが微笑む。

元が綺麗だから微笑んだりしたら普通の乙女は心を撃ち抜かれるんだろうけど、

残念ながら私は違う意味で心を撃ち抜かれそうです…!!



散々躊躇った後、雲雀さんはぽつりと呟いた。



「……毒殺薬」



「…は?」



楽しそうでしょ、と雲雀さんが言う。

私は言葉の意味を理解する前に、本能的に瓶を回収した。



ねぇ神様、

人を毒殺するなんて

やってはいけないことですよね…?!

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