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Vongole Company
038
「隼人、一体どういうこと?」



「申し訳ありません、十代目!!」



家庭教師初日の夜。

悠南が寝静まったころを見計らい、十代目は俺を部屋に呼んだ。

その部屋にはなぜかリボーンさんまでいる。



や、やべぇ…



俺の本能が警鐘を鳴らす。

しかしこの場から逃げられるはずもない。

十代目に深く頭を下げた。



「……まあいいよ、



これからは必要以上のスキンシップは避けろよ」



な? と十代目はお得意のブラックスマイルで俺を見た。



もちろん反論できるはずもない。



「…わかりました、十代目」



俺が頷くと十代目はじゃあ早く寝ろよ、と手を上げた。

部屋を出ていっていい、ということだ。

その間リボーンさんは何も喋らず、陰になった目元は何を考えているのか読めなかった。



仕方なく俺は出口を目指す。

しかしドアノブに手をかけたところで振り返った。



―どうしても聞いておきたいことがある



俺は意を決して口を開いた。



「…十代目」



「ん?」



「悠南のこと、本気なんですか」



その割には話してませんよね、と付け足す。



べつに俺が悠南のことを気にかけてるわけじゃない。

ただ十代目が本気かどうか聞きたかっただけだ。



十代目は質問を聞き、悪戯な目で俺を見つめ返す。



「本気じゃない、と言ったら?



隼人は怒るわけ?」



十代目の返事を聞き、言葉をなくす。



本気じゃなかったら…

俺は悠南のこと…?



「…おやすみなさい、十代目」



返す言葉がない俺は足早に部屋を立ち去る。



ああ、自分がよくわかんねぇ

あいつをどうしたいんだよ、俺は…!!



無意識のうちに俺は昼間に悠南に抱き着かれたことを思い出し、赤面した。



変態みたいじゃねぇか、俺…!!!










「酷な質問するんだな、おめーも」



「まあな」



リボーンは獄寺が去った後に口を開く。

背は壁に預けたままだ。

綱吉は椅子に座り目を閉じながら答えた。



「隼人も要注意ってことだな」



「おいツナ」



リボーンが険のある目で綱吉を見る。



「お前、悠南のこと本気か?」


隼人と言ってること同じだし…



また出た、リボーンのこの質問



綱吉は内心でため息をつく。

悠南が来てからというもの一週間に一回はリボーンに聞かれる。

綱吉は答え慣れたように言う。



「…当たり前だろ」



「そーか」



綱吉の言葉を聞き、リボーンは出口へ向かった。

そして部屋を出る間際、ぽつりと呟く。



「あんまりぐずついてると俺が取るぞ」



「……ちっ」



リボーンの言葉に軽く舌打ちをした綱吉だった。

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あきゅろす。
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