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Vongole Company
037大好き女神!
「ここでこの定理使えばαの値が出るだろ?」



「…んー」



「だから同じようにすりゃβの値が出るわけだ」



「………」



「……てめ…!!」



―パチーン!!!



「んぎゃっ?!」



ボールペンを使ってデコピンされた私。

何するんですか!!と抗議すると



「寝るか普通!!」



と返された。



うっ……返す言葉がない。



広間に連れてこられた私。

そこで私は数学の参考書とにらめっこしています。

最近までは雲雀さんが目の前の席に座って教えてくれたものの…

今日は隣の席に隼人さん。

しかもボールペン持って解き方の説明してくれてます。



いや、有り難いんだけど…!!

眠い…!!



「…隼人さん」



「なんだよ」



「数学、嫌いです」



「だからなんだよ」



「寝ていいですか」



「……」



―パチーン



この動作が何回繰り返されたことか。

ついに隼人さんはため息をつき、私を見た。



「…なんでこんなやつ、十代目も幹部たちも気にすんだ…?」



「……は?」



意味のわからない呟きに私は目をパチクリさせた。



いや、意味分からないし。



そして隼人さんは頭をブンブンと振り、またしても私を見た。

そして口を開く。



「…具体的にどこがわかんねぇのか言ってみろ」



「え?」



聞き取れなかった私はもう一度尋ねた。

すると隼人さんは目を背けながら答えた。



「わかんねぇとこ教えてやるって言ってんだよ…!!」



隼人さん…



「大好きです!!」



私は叫びながら隼人さんに抱き着く。



こんなに優しいとは…!

寝てる私に数学を教えてくれるなんて…!

いや、数学は雲雀さんに教えてもらってたんだけれども…

やっぱり少し苦手で。

教えてもらえるなら万歳三唱さ…!!



隼人さんは顔を赤くしながら叫ぶ。



「ばっ、離れろ…!!」



「嫌ですー、女神隼人様!!」



「ただいま」



隼人さんに抱き着きながら口論をしていると、別の声が入る。



「「ん?」」



隼人さんと二人で扉の方を向くとそこには…



「隼人。



何イチャついてんの?」



「悠南、イチャついてるとはいい度胸じゃねーか」



清々しいほど真っ黒な笑顔を浮かべた綱吉さんと


私たちに銃を向けるリボーンさんが立っていた。



「じゅ、十代目!



これは誤解で…!」



「悠南とイチャついてたことに変わりはないだろ?」



あわてて私を引きはがす隼人さん。

感謝の意として抱き着いたまでなのに……

その汚いものを剥がすかのような手ヤメロ!!



私は隼人さんを横目で睨んだ。


ってそんな場合ではなく!!



綱吉さんの真っ黒笑顔とリボーンさんの銃がこちらに向けられてるんだった…!!



「悠南、獄寺のことが好きになったか?」



返答次第で撃つかどうか決める、とリボーンさんは言った。



え、これは自分の気持ちに正直に言っていいんだよね…?!



「はい、大好きになりました!(勉強の面で)」



「そーか」



なぜかニヒルに笑うリボーンさん。

そして隣に立つ隼人さんは



何してくれてんだ、テメェ……!



と顔を引き攣らせながら私に目で訴えかけている。

え、やっぱりファミリーのこと嫌いとか言われたらリボーンさん怒るかと思いまして…



「殺れ、リボーン」



綱吉さんの言葉と共にリボーンさんの銃から威勢のいい音が響く。



「「ギャアアア!!!!!」」



隼人さんと私の悲鳴が寮に響き渡ったとか―










初日終了。

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