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Vongole Company
003助けてくれた人
今日からここが…

私の家!!



私はニコニコとおじいちゃんの前で笑っていた。



「荷物は業者を使って運ばせよう」

「部屋はあそこにしよう」

「お風呂はあっちだ―」



すべての言葉に



「うん!」



と頷いた私。



嗚呼、私…

今なら飛べる気がする…!!



ニコニコしっぱなしの悠南を見て、家光は九代目にこっそり耳打ちをする。



「彼等にも―



会わせないといけませんね、九代目」



「あぁ…」



九代目はゆっくりと頷く。

そして悠南の方を向いて話し掛けた。



「悠南、ここに住んでいる社員たちにも会っておこうか?



私たちはファミリーと呼んでいるが…」



「ファミリー?



うん、一応会っときます!」



社員のことをファミリーだなんて面白い

マフィアみたい…



私はありえない考えに自分で苦笑した。


マフィア?

ないない!



やっぱりあの家にいる間に嫌でもマフィアのことがちらついていたからだろうか。

思考がマフィア関連にいってしまうことに自分自身で驚いた。


「さて、じゃあ…



家光、幹部の者を集めておいてくれ」



「分かりました」



幹部…?

ずいぶん高い地位の人に紹介されるな、私



「悠南、寮の案内も兼ねて広間に向かおう」



おじいちゃんの言葉に私は素直に頷いた。





「北側が男性、南側が女性の部屋だからね」



「へぇ…!」



おじいちゃんが案内してくれた寮というのは、ほとんどホテルに近かった。

足の悪いおじいちゃんの車椅子を押しながら、通路を進んでいく。



「ここには何人くらい住んでるの?」



「大体千人くらいだね」



「千人?!」



ワーォ、さすが世界のボンゴレ…

道理で高層ビルなわけだ。



「あれ、じゃあみんなどこで仕事して…?」


「本社は徒歩5分だよ」



……あ、本社違うんだ。

この高層ビルは社員の寮とか広間とか…

仕事をする場ではないよ、っておじいちゃんが教えてくれた。



「ちなみに悠南の部屋は最上階だからね」



「えぇっ?!」



最上階って1番見晴らしよくて、偉い人いっぱいなんじゃ…?!


「幹部たちの階層だからね」



ナンデスッテ?!

いや、そこに私って相当場違いでしょ…!



慌てておじいちゃんに言うけど



「気にしないよ、そんなこと。



私の社員たちはね」



と言いくるめられた。

なぜか反論はできないオーラ。

たまにおじいちゃんは恐ろしいような…

有無を言わせないオーラを出す。

大浴場や食堂の場所も教えてもらい、あらかたの場所は覚えた。



「そろそろ広間に行こうか、悠南」



おじいちゃんはそう言って前を見据えた。

おじいちゃんの説明通りに車椅子を押す。

向かっている途中に



「私のことを運んでくれたのは誰?」



と聞いたら



「もうじき会えるよ」



と笑われた。



やがて大きな扉の前に着く。

中からは何やらガヤガヤという声が聞こえてきた。



あらら、幹部って少ないと思ったのに…

意外と多い?



私がこんなことを思っていると、おじいちゃんが扉の中に向かって声をかけた。



「私だ。



入るがいいかね?」



おじいちゃんのその言葉に中がシーンと静かになる。

そして中から誰かが扉を開けてくれた。



中にいたのは―

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