[携帯モード] [URL送信]

Vongole Company
019予期せぬ結末
了平さんのまともな意見でじゃんけんで6号室の住人を決めることになった。



「殺し合いじゃないの」



と雲雀さんは言っていたけど、この人はスルーしておこう。

殺し合いだったら参戦する気満々だったんだろう。



ほーら、かすかに銀色の金属が見えるもの…!!



「勝負は一回!



男なら二言はなしだ!」



なぜか仕切り始めた了平さん。



戦いとか好きなんだろうか…



両手にテーピングがあるからあながち間違いではないらしい。



変態ナッポーとリボーンさんはお互いに笑い合っている。



大人の余裕ってやつ、これ?



「きょーくげんじゃんけん…」



え、じゃんけんってそんな掛け声だった?!



私が突っ込むより早く了平さんは言い切る。



「じゃーんけんぽんっ」



………あれ?



手が三つ?



しかもなんか……



一人勝ちしてる人がいる。



「……チッ」



「おかしいですね、リボーンと僕以外の手が…」



リボーンさんは自分の出したグーに舌打ちし、変態ナッポーも自分のグーを見ながら困惑した声を出している。

悠々とパーを出した人物は何も言わない。



「……?」



手に注目していた私は視線を上げる。

ギギギギ、という効果音が合いそうなくらいゆっくり首を上に向けると―









































「…雲雀恭弥、なぜ君がパーなんです?」



「ヒバリお前、参加してねーだろ」








……現実を受け入れるには時間がかかりそうです。









「6号室の住人は決まったようだね」



黙っていたおじいちゃんが喋り出す。



決まっちゃってよくなーい!!



私は心の中で叫ぶ。

でも声には出ない。

なんていうのかな、

ショックで体が追いついてない感じ。



「おい、ヒバリは関係ねーぞ



俺と骸でもう一回だ」



「そうです、雲雀恭弥が僕のハニーの向かい部屋なんて危険ですからね!!」



リボーンさんと変態ナッポーが抗議の声を上げる。

当の本人、雲雀さんはまた欠伸して寝ちゃってる。



なんでじゃんけんしたんだ、あの人…



「……何か文句があるかね?」



少し間を置いておじいちゃんはリボーンさんと変態ナッポーを見る。

その視線にさすがの二人も少したじろいだ。


嗚呼、私が感じたおじいちゃんの有無を言わせないオーラって…



マフィアのボスとしてのオーラだったんだ。



「決まりのようだね」



おじいちゃんは微笑んだ。

そして腕時計をちらりと見る。



「もう12時だ、解散にしよう」



つられて壁に掛かる時計を見ると、本当に12時。



三時間近く争って…

この結果。



眠そうに欠伸をする雲雀さんをちらりと見る。

しかし雲雀さんはお開きだと知ると、すたすたと1番に広間を出ていった。



ワォ、自由人☆



続いておじいちゃんも家光さんやオレガノさんと出ていく。



誰かが私に近づいてきた。

その方を見ると、近づいてきたのはイーピンちゃんで。



「悠南ちゃん…



雲雀さんは私のお師匠様に似てるから優しいよ!!」



励ましなんだか本気なんだか雲雀さんを絶賛するイーピンちゃん。

しかしイーピンちゃんの後ろでイーピンちゃんの言葉を聞いた面々がそれは嘘だと顔で物語っている。



分かってるさ…!

まだ会って一日もしないけど、

あの雲雀さんが



優しい人



とは程遠い人だってことくらい…!!

[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!