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Vongole Company
017予想外の展開
「イーピン、今のところ空いている部屋は?」



「W006号からW010号は空いてますよ」



Wというのは女子部屋という意味らしい。

ということは1から5までは住人がいるってことか。

五人も女の子いるんだ…!



私はテーブルに広げられた配置図を見ながら目を輝かせる。

おじいちゃんが私に話し掛けてくる。



「悠南、では6号から10号の中でどれがいいかね?」



え、これで10号選ぶ人いる?

10号選んだら一人だけ仲間外れになるし…

第一、寂しい…

よね?



「6号で」



私が答えると、突然静かにしていた変態ナッポーが騒ぎ始める。



「6号…!!



では僕の部屋もK006にすれば悠南と向かい合わせの部屋で…「やめろ妄想男」」



変態ナッポーは何を言うか分からない。



しかも向かいの部屋にこの変態ナッポー……



毎日気味悪くてたまらなそうだ。

私は思わず身震いした。



「女性は全員揃っていないから部屋は変えないとして…



男性は部屋を変えるかね?」



せっかくの機会だよ、とおじいちゃんは付け足す。

最上階で部屋交換…

どうせ変わるのは景色くらいだろう。



「ぜひ!!」



鼻息荒くおじいちゃんの質問に答える変態ナッポー。

うん、美形なんだけどね…


ごめん、



気持ち悪い。



「では何か要望は?」



おじいちゃんが変態ナッポーの意見を聞き、話を進める。

するとスルリと手が挙がった。



「あの女とはなるべく遠ざけてください」



でたー、隼人さん。



そんなに嫌われるようなことしただろうか、私。

まあ敵ファミリーの娘だけど…

もう絶縁関係だしいいじゃんかー



緩い抗議を隼人さんに心の中でする。

隼人さんの意見におじいちゃんは苦笑した。



「なるべく悠南とは離れたいんだね?」



「はい!」



「分かった」



分かった?!

おじいちゃん、そこで分かってしまう?!



私が驚愕のツッコミを入れていると、またしてもスッと手が挙がる。

手の主は雲雀さんだった。



「群れないところがいい」



………

うん、らしさが出てる!!←

きっとこの人は私が嫌い、というより



人間が嫌い



なんだろう。



雲雀さんの言葉に軽く頷くおじいちゃん。

その様子を見て雲雀さんは満足したのか目を閉じた。



もう用なし、



とでもいうかのように。



「他の四人はどうかね?」



おじいちゃんは了平さん、山本さん、リボーンさん、変態ナッポーに声を掛ける。



「それが……」



山本さんが苦笑混じりで答える。



「俺と了平先輩はどこでもいいんですけど、骸とリボーンが…」



おじいちゃんと私は二人を見る。

変態ナッポーは「6号♪」と気持ち悪いほど呟いているが、リボーンさんは全く関心がないかのように銃を見ている。



少なくともリボーンさんは―

興味なさそう



私は向かいの部屋になるであろう変態ナッポーに向かってため息をついた。



おじいちゃんは口を開いた。



「リボーン、骸くん…



どちらが6号室にするかね?」



決まってる、変態ナッポーだよ



私は諦めて心の中で答える。



しかし、耳に入ってきた言葉は意外なものだった。



「僕ですよ」



「俺だ」



変態ナッポーはクフフと笑いながら、



リボーンさんは銃を変態ナッポーに構えつつ言う。



おぉ??!



あまりにも予想外な展開に私は目をしばたかせることしか出来ない。



まさかリボーンさんが……



了平さんは



「極限喧嘩かー!!!」



とボクシングのポーズを構えながら言った。



…場の雰囲気を壊すよね、了平さんって。

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あきゅろす。
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